INSIGHT

論考:観ることのできない歴史的資料をめぐって──戦争体験者証言映像と東京都平和記念館(仮)計画から考える

今年3月、東京都が保管する戦争体験者の証言ビデオが、20年以上にわたって活用されず封印状態にあることが報道された。戦争の資料をどう公開し、伝えていくべきなのか。資料や人々との対話をもとに、戦争や災害の歴史と記憶に向き合い作品を発表してきたアーティスト・藤井光による寄稿。

INSIGHT

PREMIUM

いま、韓国のアートマーケットが熱い。そのブームが示唆するものとは?

今年、欧米の有力なギャラリーが次々とソウルにスペースをオープンし、「フリーズ」も来年9月にソウルで新たなアートフェアを開催することを発表するなど、韓国の美術市場はいま大きな注目を集めている。韓国の市場ブームの要因や、それが日本に与える影響とは?

INSIGHT

ポスト印象派の画家からアーティストのドキュメンタリー、ナチスドイツの美術まで。チェックすべきAmazon Prime Videoのアートムービー

スマートフォンやパソコンで、いつでも見たい動画コンテンツを視聴できることから近年注目を集めるストリーミングサービス。今回はAmazon Prime Videoで見られるおすすめのアートムービーを紹介。連休中に自宅で過ごす時間のお供にいかがだろうか。配信期限つきの作品もあるため、気になるものは早めのチェックをおすすめしたい。

INSIGHT

アイ・ウェイウェイの作品はM+で展示できるのか? 香港美術館の自己検閲を問う

今年年末に開館予定のアジア最大級のヴィジュアル・カルチャーのミュージアム「M+」(エムプラス)。そのコレクションに含まれるアイ・ウェイウェイらによる政治的に挑発的な作品をめぐり、香港の親中派メディアや議員と民主派のあいだで大きな論争が起こっている。美術館の自己検閲について、今回の事件の経緯を振り返りながら現地の関係者に話を聞いた。

INSIGHT

PREMIUM

注目を集めるNFTアート。新たなマーケットに求められるルールの明確化

いま、アートの世界をもっとも賑わせているトピックのひとつである「NFT」や「クリプトアート」。マーケットではオークションハウスが参入し、現代美術のアーティストもその可能性を探るこの新しいジャンルは、法的にどのような課題があるのか? Art Lawの専門家である弁護士・木村剛大が解説する。

INSIGHT

現代アートにおける「戦うこと」の必要性から、キュレーションの可能性まで。『美術手帖』4月号新着ブックリスト(2)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。現代美術市場や文化芸術分野に対する公金支出をめぐる論争を取り上げる書や、多分野に応用できる「知的生産術」としてキュレーションを拡張する1冊など、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

INSIGHT

「タイムライン」展の記録から、リオタールによる『判断力批判』についての講義録まで。『美術手帖』4月号新着ブックリスト(1)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。2019年に行われた「タイムライン」展を起点に作品をめぐる「時間」や「生」を記録した1冊や、カント『判断力批判』を題材にしたリオタールの原稿をまとめた講義録など、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

INSIGHT

ゴームリーから島袋道浩まで、国東半島でアートを巡る

海に丸くせり出した大分県北東部の国東半島は、日本でも屈指の現代美術のスポットであることをご存知だろうか。アントニー・ゴームリーから今年3月に新設された島袋道浩まで、この地で見られるアートのハイライトをご紹介する。

INSIGHT

「文化経済戦略推進事業」で試みられる、アーティストと企業の協働というエコシステム

文化芸術への投資と経済成長を生み出す、新たな価値創造の好循環を実現するために、文化庁が進めている「文化経済戦略推進事業」。2020年度は実際に企業とアーティストの協働が試行され、評価指標の可視化が目指された。これらから見えてきたのは、広範化するアーティストと企業の関わり方と、その推進をするうえでの中長期的な支援の必要性だ。

INSIGHT / PROMOTION

3つのキーワードから紐解く。イギリス風景画の巨匠、ジョン・コンスタブルの表現世界

イギリス風景画の巨匠といえば、まずJ.M.W.ターナー、そしてジョン・コンスタブルの名が挙げられる。彼らは、当時ヨーロッパにおいては下位におかれていた「風景画」というジャンルを刷新し、その地位を大きく引き上げることに貢献、印象派にも影響を与えた。三菱一号館美術館では、日本では35年ぶりとなるコンスタブルの回顧展が開催中。本稿では3つのキーワードをもとに、コンスタブルの描く世界、そして展覧会の見所を紹介する。*本展は緊急事態宣言により会期途中で閉幕となった

INSIGHT

「政教分離」は文化政策・行政を萎縮させるか──孔子廟最高裁判決が文化芸術支援にもたらす影響

儒教の祖・孔子を祭る「孔子廟(びょう)」の用地を那覇市が無償で提供しているのは、政教分離の原則を定めた憲法に違反するとの判断を、最高裁が示した。政治と宗教の関わりについて、これまでに比べ厳格な判断を示したと言える。この判決は、今後の文化支援・文化行政にどのような影響を与えるのだろうか。

INSIGHT

「Mellow Art Award 2020」で大賞を受賞した映画監督・写真家、ヌール・ムナワラ・フサインとは何者か?

現代人にアート作品を通じてリラックスやインスピレーションを提供することを目指すアプリ「Mellow」が昨年開催したアワード「Mellow Art Award 2020」では、シンガポール出身の映画監督・写真家であるヌール・ムナワラ・フサインが大賞に選出された。その受賞背景や過去の制作について、本人を含む複数の関係者に聞いた。

INSIGHT / PROMOTION

「ヒップホップとしての絵画」、その新しさとは? 石川卓磨評「千葉正也個展」

東京・八王子エリアを拠点に活動し、国内外で活躍する千葉正也の大規模な個展が、東京オペラシティアートギャラリーで開催されている。千葉は、紙粘土や木片で人型のオブジェを制作し、身の回りの品々とともに周到に配置した仮設の風景をつくったうえでそれを絵画化するという代表的な手法を中心に、映像、インスタレーション、パフォーマンスなど様々な方法を用いて作品を発表する。自身の絵画作品をダイナミックに配置し、様々なオブジェクトや生きたカメをも共存させる展示空間をつくりあげた本展を機に、その絵画やペインターとしての独自性を、美術家、美術批評の石川卓磨が論じる。

INSIGHT

アニメ評論家・藤津亮太が会田誠の「戦争画」に見出したもの。なぜ『アニメと戦争』の装丁は「戦争画RETURNS」になったのか

3月2日に発売されたアニメ評論家・藤津亮太の著書『アニメと戦争』(日本評論社)。アニメに登場する様々な戦争の系譜をたどり、社会との関係を問い直す同書の装丁には会田誠《ザク(戦争画RETURNS 番外編)》(2005)が選ばれている。なぜ、会田誠の「戦争画」が同書に必要だったのか、その理由を藤津が綴る。

INSIGHT