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巨大美術館の「お引越し」に迫る(後編)。「休館中も美術館は動いている」

数年間に渡って繰り広げられた横浜美術館の引越しは、想像を超えるハードな作業だった。前編に引き続き、横浜美術館学芸グループの庄司尚子、片多祐子、そして引越し動画について、教育普及グループの桜庭瑠実に話を聞いた

文=浦島茂世

来る日も来る日も箱をつくり続ける

 横浜美術館のスタッフが、展示室を作業スペースに作品を広げ、チェックする日々は毎日、数ヶ月にわたって続けられた。そして、この地道な作業をともに歩んでくれたのが、ヤマト運輸の美術品輸送の部署だった。

 「ヤマト運輸の美術品部門は少数精鋭。通常の展覧会だと多いときで1日6名、横浜トリエンナーレのような大規模な展覧会になると増員して1日8名ペースで来てくださるのですが、コロナ禍のため他館の展覧会が減っていたこともあり、ピーク時には8名で作業をお願いしました」(横浜美術館学芸グループコーディネーター・庄司尚子)。

 ただ、そのうちの数名は「箱づくり」に専念していたという。

作品ごとに専用の箱を用意、制作して搬送

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