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ギャラリーのためのギャラリー。フリーズの新スペース「No.9 コーク・ストリート」が目指すものとは?

世界でもっとも影響力のあるアートフェアのひとつを主催する、フリーズ。創立30年を迎える今年、ロンドンに初めて常設ギャラリー「No.9 コーク・ストリート」をオープンした。イギリスのアート史で欠かせない通りであるコーク・ストリートの歴史を振り返りつつ、フリーズの新たな挑戦について迫る。

文=加藤真由

No.9 コーク・ストリートの外観 Courtesy of Frieze

 フリーズは1991年に現代美術の雑誌として始まり、2003年に最初の「フリーズ・ロンドン」を開催して以来、世界のアートフェアを牽引し続けている。ギャラリーの見本市の場として機能していたアートフェアに、ライブパフォーマンスやトークショーなどをもたらし、多角的にアートを体感できる場へと発展させてきた。また既存作品の展示だけでなく、アートフェアのために新作をアーティストに依頼するという革新的な流れを生み出し、ギャラリーにも刺激を与え続けている。

 そんなフリーズが、アートフェアではなく、初めての常設ギャラリースペースを今年10月にオープンさせた。ギャラリーのためのギャラリーとなる「No.9 コーク・ストリート」では、応募から選ばれた世界各国のギャラリーが約4週間ごとに展示を行う。3フロアある建物に、3つのギャラリースペースと、イベントスペースが存在。ギャラリー同士での相乗効果を促進することを目的とし、ギャラリーの枠を超えてのコラボレーションもまた期待されている。

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