トグサとハラウェイ検屍官は、その人形に何を見るか? 逆卷しとね評 菅実花「The Ghost in the Doll」展

ラブドールを妊婦姿で撮影したアートプロジェクト「Do Lovedolls Dream of Babies?(ラブドールは胎児の夢を見るか?)」(2014〜)で注目を集めた菅実花の個展が、原爆の図 丸木美術館で開催された。本展では、19世紀のヨーロッパで流行した、故人を湿板写真で記録する「死後記念写真」の手法を用い、等身大の精巧な乳児人形「リボーンドール」を撮影した新作《Pre-alive Photography》を中心に発表。 本稿では、気鋭のダナ・ハラウェイ研究者が、押井守監督の映画『イノセンス』に登場するトグサとハラウェイ検屍官の対話のかたちをとり、本展における生命とゴーストの謎に迫る。

INSIGHT

アニエス・ヴァルダの遺作『ヴァルダ・バイ・アニエス』が公開へ。日本では劇場公開されていなかった2作も同時上映

2019年3月29日に亡くなった、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する監督であり美術家としても活躍したアニエス・ヴァルダ。そんなヴァルダの遺作『ヴァルダ・バイ・アニエス』(原題)が、12月にシアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開されることが決定した。

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「戦争花嫁」の姿をとらえ続けた写真家。 江成常夫の写真展が相模原市民ギャラリーで開催中

「負の昭和」をテーマに活動を続けてきた写真家・江成常夫の写真展が、神奈川の相模原市民ギャラリーで開催されている。本展では、「戦争花嫁」と呼ばれる女性たちをとらえた『花嫁のアメリカ 歳月の風景 1978―1998』を紹介。第二次世界大戦の戦中戦後を生きた花嫁たちの姿と言葉を再度提示している。会期は9月1日まで。

NEWS / EXHIBITION

何世紀にもわたる時間の厚みを絵画に。ベルリン拠点の画家、マキ・ナ・カムラの個展をチェック

ヨーロッパを中心に活動を行うアーティスト、マキ・ナ・カムラの個展「まるで、*砂糖が水にだんだんとけゆくのをみていた子どもが、自分の体はそんなふうにお風呂にとけ出さないのにな、とひとり問うてみるかのようなもの展」が、東京・天王洲のANOMALYで開催される。会期は9月7日〜10月5日。

NEWS / EXHIBITION

あいちトリエンナーレ参加作家・毒山凡太朗がアーティスト・ラン・スペース「多賀宮 TAGA-GU」を名古屋にオープン

「あいちトリエンナーレ2019」の参加作家でもある毒山凡太朗が、名古屋市西区にアーティスト・ラン・スペース「多賀宮 TAGA-GU」をオープンする。同スペースでは作品展示のほか、円頓寺本町商店街の人々と対話する場所などを目指すという。

NEWS / HEADLINE

加藤泉が取り組むリトグラフ。ピカソやシャガールも制作したパリの工房の魅力とは

原美術館とハラ ミュージアム アークでの個展「加藤泉―LIKE A ROLLING SNOWBALL」が開催中の加藤泉。1990年代半ばから絵画を発表、やがて木彫も手がけ、近年ではソフトビニールや石、ファブリックなど多彩な素材を用いた作品制作へと、その表現の幅を広げてきた。加藤が3年前からフランス・パリの歴史的な版画工房「Idem Paris」(イデム・パリ、以下イデム)と取り組んでいるのがリトグラフ(平版画)だ。イデムとはどんな場所なのか、そして職人の手を介在するこれまでと違った技法に、作家・加藤泉はどう向き合っているのか、その制作に迫った。

NEWS / REPORT

第五福竜丸展示館における「展示」のあり方とは。長谷川新評 「なぜ?ベン・シャーンが見た福竜丸-13点のデッサンと漁師たち」展

遠洋マグロ漁船がアメリカ軍による水爆実験で被ばくした「第五福竜丸事件」の資料を保存する第五福竜丸展示館(東京)にて、事件に関するルポルタージュの挿絵などを手がけたアメリカの画家・ベン・シャーンの原画展が開催されている。展覧会を含む館での展示について、インディペンデント・キュレーターの長谷川新がレビューする。

REVIEW

「引込線」が「引込線/放射線」に名称を変えて開催。展覧会、書籍、ウェブサイトなど多岐にわたるプロジェクトをチェック

2008年のプレ展を幕開けに、埼玉県所沢市を舞台に行われてきた「引込線」。7回目となる今年は「引込線/放射線」に名称を変え、第19北斗ビル(9月8日〜10月14日)、旧市立所沢幼稚園(10月12日〜11月4日)での展示のほか書籍、サテライト、ウェブサイトという5つの場で7ヶ月にわたって開催される。

NEWS / EXHIBITION

アーティストがつくる架空の展覧会の招待状。XYZ Collectiveの「クールインヴィテーションズ6」をチェック

国際的な活動を展開する、巣鴨拠点のアーティスト・ラン・スペース「XYZ Collective」。同スペースにて、COBRA、ミヤギフトシ、持塚三樹、中野浩二、礒谷博史らが参加するベネフィット展覧会「クールインヴィテーションズ6」が開催中だ。会期は9月1日まで。

NEWS / EXHIBITION

アートを探しに百貨店へ行こう。伊勢丹新宿店メンズ館が「アートの館」に

日本を代表する百貨店である伊勢丹新宿店。そのメンズ館が、じつはアートに満ちた館であることをご存知だろうか? 今年2月、同館には新たにギャラリー「ART UP」が誕生。館内4ヶ所には複数のアーティストが参加するアートスポットが生まれるなど、まさに「アートの館」へと生まれ変わった。なぜ伊勢丹新宿店メンズ館はアートに注力するのか? その背景と探るとともに、見るべきポイントをお届けする。

SPECIAL / PROMOTION

「Reborn-Art Festival 2019」 小林武史×名和晃平 対談

2017年に行われた、アート、音楽、食の総合芸術祭「Reborn-Art Festival」。2019年8月3日より開催される第2回は「いのちのてざわり」がテーマとなる。石巻市街地や牡鹿半島の豊かな自然のなかで繰り広げられる新たなアートと、そこで感じられるであろう「てざわり」には何が込められているのか。芸術祭実行委員長の小林武史とアーティスト兼キュレーターとして参加する名和晃平に話を聞いた。

INTERVIEW / PROMOTION

細野晴臣のデビュー50周年を記念して。展覧会「細野観光1969-2019」が六本木ヒルズ展望台 東京シティビューで開催

「はっぴいえんど」「YMO」のほか、作曲・プロデュースなど多岐にわたる音楽活動で知られる細野晴臣。そのデビュー50周年を記念した展覧会「細野観光1969-2019」が、六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー・スカイギャラリーで開催される。会期は10月4日〜11月4日。

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