2019年の愛知はいつか、どのように振り返られるだろうか? 鈴木俊晴評「アイチアートクロニクル1919-2019」

今年4月から6月にかけて、愛知県美術館にて開催された「アイチアートクロニクル1919-2019」展。現在開かれている「あいちトリエンナーレ」に先駆けて実施された同展は、同美術館のリニューアル・オープン記念として、愛知のアートの過去100年間を、愛知県美術館、名古屋市美術館、豊田市美術館をはじめとする地域のコレクションを通じて紹介するもの。豊田市美術館学芸員の鈴木俊晴が、美術館の役割と地域美術史について論じる。

REVIEW

『日本沈没』『復活の日』を手がけたSF作家・小松左京とは何者か。展覧会「小松左京展―D計画―」が世田谷文学館で開催

『日本沈没』『復活の日』など、壮大なスケールのSF小説の数々で人気を誇る作家・小松左京。SFの世界に希望を抱き、災害や世界の変化を描き続けたその活動の軌跡を、多彩な資料でたどる展覧会「小松左京展―D計画―」が世田谷文学館で開催される。会期は10月12日~12月22日。

NEWS / EXHIBITION

鈴木ヒラク、THE COPY TRAVELERS、PUGMENTらが参加。東京都現代美術館の「MOTアニュアル2019」をチェック

東京都現代美術館で、日本の若手作家を中心に紹介する展覧会「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」が開催される。参加作家はTHE COPY TRAVELERS、PUGMENT、三宅砂織、吉増剛造プロジェクト|KOMAKUS+鈴木余位、鈴木ヒラク。会期は11月16日〜2020年2月16日。

NEWS / EXHIBITION

彫刻とは「時空を自由に移動することができるメディア」。利部志穂の個展がKAYOKOYUKIで開催

生活のなかで不要となったものや壊れて廃棄された拾得物、あるいはホームセンターで購入できる建築資材など、様々なモノを使用して彫刻作品を制作する利部志穂。今回、その個展「マントルプルーム ― イザナミ、ペレの怒り。」が、東京・駒込のKAYOKOYUKIで開催されている。会期は10月6日まで。

NEWS / EXHIBITION

「天才の考えを買う」という喜び。アートコレクター・宮津大輔インタビュー

企業に勤務するかたわら、30歳のときに現代美術のコレクションを開始。26年間で400点以上の現代美術を購入し、日本を代表するアート・コレクターの一人となった宮津大輔。現在は、横浜美術大学の教授として、学生にアートと社会の関係性や、キャリア・デザイニングを教えている。幅広いメディアへの出演も多い宮津に、変化を続けるアートマーケットについて、そしてコレクターとしてアーティストや作品とどのようにかかわっているのかを聞いた。

INTERVIEW

きっかけは「彫刻」。近代から現代までの日本の彫刻・立体造形を通観する展覧会が熊本市現代美術館で開催

東京国立近代美術館が所蔵する、近代から現代までの日本の彫刻・立体造形を紹介する展覧会「きっかけは『彫刻』。―近代から現代までの日本の彫刻と立体造形」が、熊本市現代美術館で開催。それにあわせ、現代日本の彫刻・立体造形を特集する同館のコレクション展も行われる。会期は9月21日〜11月24日。

NEWS / EXHIBITION

デザインと日本美術の関係とは? 富山県美術館で「『日本の美 美術×デザイン』-琳派、浮世絵版画から現代へ-」が開催中

日本の美術にみる装飾性・デザイン性に着目する展覧会「『日本の美 美術×デザイン』 -琳派、浮世絵版画から現代へ-」が現在、富山県美術館で開催中だ。琳派、浮世絵版画から現代絵画、ポスターに至るまで、多様な美の様相を紹介する本展の見どころをレポートで紹介する(会期中、複数回展示替えあり)。

NEWS / REPORT

ジャンルを超えるマンガの極北、梶本レイカを読む(1)岩下朋世評

梶本レイカは鬼才のマンガ家である。男性同士の性愛とロマンスや、実在の事件をもとにしたサスペンス、さらにホラー、ノワール、ヤクザものといった様々な要素を内包しながら、独自の表現へと昇華する。 BLレーベルから『高3限定』『コオリオニ』などのコミックス刊行を経て、2016年より青年誌『ゴーゴーバンチ』で『悪魔を憐れむ歌』の連載を開始。クライムサスペンスである本作は、各巻の帯の推薦文を映画評論家の町山智浩やライムスター・宇多丸、暴力団関連の著作で知られるライターの鈴木智彦が担当するなど、多方面で熱い支持を得ている。暴力が物語をドライブさせ、社会のはみ出し者が跋扈するなか、圧倒的な筆致で描かれる「痛み」と「救済」。過激な表現を使いながら人間同士の関係性にフォーカスする梶本作品には、現代社会に寄る辺なさを覚える読者を、せめてマンガの世界で抱きとめるようとするかのような誠実な手つきが宿る。 そんな梶本レイカの作品世界に迫る、2本の論考をお届けする本企画。まずはマンガ研究者である岩下朋世が、「リバ」というキーワードや「顔」の描かれ方の多面性から、作品の構造とその特異性を論じる。

INSIGHT

コンクリート開発史を軸に、ダムや立山信仰のリサーチを通じた新作も。風間サチコの個展が黒部市美術館で開催

ダイナミックな黒一色の木版画で知られるアーティスト、風間サチコ。その個展「コンクリート組曲」が、富山・黒部市美術館で開催される。本展では世界のコンクリート開発史に焦点を当てた作品のほか、黒部近郊のリサーチから生まれた新作も展示。会期は10月12日〜12月22日。

NEWS / EXHIBITION

「美術館はコミュニティのリビングルーム」。隈研吾が手がけるオドゥンパザル近代美術館がトルコに開館

日本を代表する建築家である隈研吾が設計を手がけた美術館「オドゥンパザル近代美術館」がトルコの地方都市エスキシェヒルに開館した。プライベート・ミュージアムであるこの美術館に込められた思い、あるいはそこから見える「これからの美術館の姿」とは?

NEWS / REPORT

マネ、セザンヌら、印象派の名品を網羅。「コートールド美術館展」が東京都美術館で開幕

セザンヌやゴーガンのイギリス最大のコレクションを持ち、印象派とポスト印象派の殿堂として知られるコートールド美術館。そのコレクションが20年ぶりに来日する大規模展覧会「コートールド美術館展 魅惑の印象派」が、東京都美術館で開幕した。本展の見どころをレポートで紹介する。

NEWS / REPORT

世界初の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」が20年3月に開催。フェルメール、ゴッホら61作品が初来日

ヨーロッパ絵画を網羅する質の高いコレクションで知られるロンドン・ナショナル・ギャラリー。同館の200年の歴史のなかで初となる、館外での大規模な所蔵作品展が東京の国立西洋美術館(2020年3月3日~6月14日 ※2月28日に3月17日以降への開幕延長を発表)と大阪の国立国際美術館(2020年7月7日~10月18日)で開催される。

NEWS / REPORT

京都にテキスタイルメゾン「HOSOO」初の旗艦店がオープン。染織文化にまつわる展示のためのギャラリースペースも

西陣織の技術を用いたテキスタイルを発信する「HOSOO」初の旗艦店「HOSOO FLAGSHIP STORE」が9月2日にオープンした。同店舗にはギャラリースペースも併設され、オープニング展として「THE STORY OF JAPANESE TEXTILES―日本の美しい布―」が開催中(〜12月14日)。

NEWS / HEADLINE

追求するアートの「おもしろさ」。小山登美夫インタビュー

東京・六本木に拠点をおく「小山登美夫ギャラリー」。リチャード・タトル、シュテファン・バルケンホール、ライアン・マッギンレーといったアーティストを日本に紹介しつつ、桑久保 徹、桑原正彦、菅木志雄、杉戸 洋、日高理恵子、蜷川実花など、ベテランから若手まで幅広い日本人アーティストを取り扱っている。かつて村上隆や奈良美智を世界に紹介し、現在も世界で評価されるアーティストを探しつづけている小山登美夫に、現在の日本と世界の美術を取り巻く状況を聞いた。

INTERVIEW