MAGAZINE

現代のポップ・アートに見る二重性とユーモア。清水穣評 カスパー・ミュラー「In and Out」展、臧坤坤「Double Screens」展

オブジェや平面、既製品を組み合わせ、ユーモアや皮肉を込めたインスタレーションを手がけるカスパー・ミュラーと、絵画、オブジェクト、そして画中にあるものに等価な関係を構築しようとする臧坤坤(ツァン・クンクン)。現代のポップ・アートをめぐる二元論と、同時期にチューリヒで開催された両者の個展に見られる二重性について、清水穣が論じる。

REVIEW

第3回

日本画の魅力をTikTokで発信する〜寺田倉庫の試み〜

近年、美術館だけでなく、アートを扱うショップやギャラリーなどもTikTokを活用し、新しいファン層に発信を始めている。そのひとつが、芸術文化発信事業に力を入れている寺田倉庫。去る4月11日には寺田倉庫株式会社が運営するPIGMENT TOKYOからTikTok LIVEを実施、多くのコメントを得るなど好評を博した(PR)。

「運動史」としての写真史 若山満大評「「写真の都」物語 ―名古屋写真運動史:1911-1972―」

名古屋市美術館にて、2月〜3月に開催された本展では、1920年代に日本のピクトリアリズムをけん引した〈愛友写真倶楽部〉や写真家・東松照明を生んだ都市、名古屋の写真表現の展開に焦点をあてた。同地名古屋に根ざす美術館で、その物語はどのようにつむがれたのか? 東京ステーションギャラリー学芸員の若山満大がレビューする。

REVIEW

パリの新私設美術館、大コレクターのフランソワ・ピノーによる「ブルス・ドゥ・コメルス」が5月22日に開館へ

フランスの実業家でアートコレクターのフランソワ・ピノーによる私設美術館「ブルス・ドゥ・コメルス - ピノー・コレクション」(Bourse de Commerce - Pinault Collection)が、5月22日にオープンする。ピノー・コレクションからなるテーマ別の展覧会や所蔵アーティストに捧げられた展覧会などを予定している。

NEWS / HEADLINE

これからの社会をアーティストと探る。「ポストコロナ・アーツ基金」の展覧会が東京藝術大学で開催

各界の民間有志による実行委員会と東京藝術大学の共同事業「ポストコロナ・アーツ基金」。これに参加するアーティスト17組による展覧会「『新しい成長』の提起 ポストコロナ社会を創造するアーツプロジェクト」が、東京藝術大学大学美術館で開催される。会期は6月8日~27日。

NEWS / EXHIBITION

第36回

書評:戦争を表現する実践者たちの問いや葛藤。『なぜ戦争をえがくのか』

雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本から注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を紹介。2021年4月号の「BOOK」2冊目は、映画監督・大川史織による、「戦争」を語る/表現する10組の実践者たちへの聞き取り調査をまとめた『なぜ戦争をえがくのか』を取り上げる。

SERIES / BOOK

アイ・ウェイウェイの作品はM+で展示できるのか? 香港美術館の自己検閲を問う

今年年末に開館予定のアジア最大級のヴィジュアル・カルチャーのミュージアム「M+」(エムプラス)。そのコレクションに含まれるアイ・ウェイウェイらによる政治的に挑発的な作品をめぐり、香港の親中派メディアや議員と民主派のあいだで大きな論争が起こっている。美術館の自己検閲について、今回の事件の経緯を振り返りながら現地の関係者に話を聞いた。

INSIGHT

PREMIUM

何かの気配、夢の体験をいかにつくり出すのか。冨安由真インタビュー

絵画、インスタレーション、ヴィデオなど多様なメディアを用い、不可視なものに対する知覚を鑑賞者に疑似的に体験させる作品を制作する冨安由真。KAAT神奈川芸術劇場にて、個展「漂泊する幻影」を1月に開催した。冨安が入選した第12回shiseido art egg(2018)の審査に関わった光田由里が、本展がどのように構成されたのか、また絵画とインスタレーションの関係性を聞いた。

INTERVIEW