鑑賞時の心のざわめきの源泉を探る。「ざわつく日本美術」(サントリー美術館)
サントリー美術館のコレクションのなかから、「ざわつき」をキーワードに選定された作品90件以上(展示替えあり)が並ぶ展覧会。学芸員だけでなく、教育普及とともにつくりあげられたという通常の企画展とは異なる趣向のものだ。
展覧会はプロローグとエピローグに加えて、「うらうらする」「ちょきちょきする」「じろじろする」「ばらばらする」「はこはこする」「ざわざわする」といったユニークな章立てが行われている。例えば「うらうらする」では、普段は見ることができない作品の裏側を、 「ちょきちょきする」は切断によって制作当初の姿から改編された作品を、そして「はこはこする」は通常展覧会では表舞台に出てこない「箱」に光を当てる。
あえて主観的な鑑賞態度を提示することで、これまでにはない新たな日本美術の見方を探る展覧会だ。
会期:2021年7月14日~8月29日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4(東京ミッドタウン ガレリア3F)
電話番号:03-3479-8600
開館時間:10:00~18:00 ※いずれも入館は閉館30分前まで。 最新情報は公式ウェブサイトへ
休館日:火(8月24日は18:00まで開館)
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料
イサム・ノグチの創造の道行きをたどる。「イサム・ノグチ 発見の道」(東京都美術館)
「彫刻とは何か」という問いを生涯を通じて探求し続けた20世紀を代表するアーティスト、イサム・ノグチ(1904〜1988)。その制作のエッセンスに迫る展覧会が「イサム・ノグチ 発見の道」だ。「彫刻の宇宙」「かろみの世界」「石の庭」の3章構成。30年以上にわたって取り組み続けられた光の彫刻「あかり」から晩年の独自の石彫に至る、ノグチの「発見の道」を約90点の作品でたどる。
第1章「彫刻の宇宙」では、1940年代から最晩年の80年代の作品を紹介。展示室の中心では、150灯もの「あかり」によるインスタレーションが大きな存在感を放つ。第2章「かろみの世界」では、ノグチが切り紙や折り紙からインスピレーションを得て制作した金属板の彫刻を、第3章「石の庭」では、イサム家の庭に設置された最晩年の石彫の一部を初めて美術館で展示している。
20世紀の美術に大きな足跡を残し、晩年にその創造の到達点に達したイサム・ノグチの全貌を追うことができる展覧会だ。
会期:2021年4月24日~8月29日 ※緊急事態宣言発令により4月25日〜5月31日は臨時休館
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
休館日:月
料金:一般 1900円 / 大学生・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1100円 / 高校生以下は無料
※本展は日時指定予約を推奨。詳細は特設WEBサイトを参照
2つの国の写真作品を通じて新たな視座を提示。「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」(東京都写真美術館)
東京都写真美術館は、メルボルン大学の協力を得て、同大学教授ナタリー・キングとの共同企画展「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」 を開催されている
同館では過去に、「世界は歪んでいる。─Supernatural Artificial」展(2004)や「オーストラリア現代作家 デスティニー・ディーコン」展(2006)を開催し、オーストラリアの現代写真表現を日本で先がけて紹介してきた。こうしたオーストラリアとの継続的な文化交流の一環として、本展では両国を代表する現代写真が紹介される。
参加アーティストは、マレイ・クラーク、ローズマリー・ラング、ポリクセニ・パパペトロウ、ヴァル・ウェンズ、石内都、片山真理、畠山直哉、横溝静。2つの国それぞれの作家の表現を通じて、過去と未来、経験と未知、記憶と忘却のサイクルについて、現代の新たな視座を提示する。
会期:2021年8月24日~10月31日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(8月30日、9月20日は開館)、9月21日 ※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
観覧料:一般 700円 / 学生 560円 / 中高生・65歳以上 350円
※オンラインによる日時指定予約を推奨。詳細は公式ウェブサイトへ