地域レビュー(北陸甲信越):尺戸智佳子評「タムラサトル 開放的な接点 発電所にて電気を浪費する」、「めぐりあう今を映す―日本の現代ガラス 1975-2025」(富山市ガラス美術館)

ウェブ版「美術手帖」での地域レビューのコーナー。本記事では尺戸智佳子(黒部市美術館学芸員)が、美術家・タムラサトルが旧発電所で電気についての想像力を喚起させた「タムラサトル 開放的な接点 発電所にて電気を浪費する」(下山芸術の森発電所美術館)と、近現代日本のガラス表現の歴史を辿る「開館10周年記念:めぐりあう今を映す―日本の現代ガラス 1975-2025」(富山市ガラス美術館)の2展を取り上げる。

REVIEW

第3回

「シビック・ファッション」とは何か。建築家・藤村龍至とCCBTの伊藤隆之と島田芽生が考えたアートにこそできること

東京都歴史文化財団が運営する「シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]」は、2026年度のアーティスト・フェロー募集活動テーマとして、市民の自発的なムーブメント(キビタス)による「まだない何か」をかたちづくる「シビック・ファッション」を掲げた。この取り組みが現代の都市とどのように共鳴していくのか。本鼎談では、建築家の藤村龍至を迎え、CCBTの伊藤隆之と島田芽生と「キビタス」や「シビック・ファッション」をキーワードに、CCBTが紡ぐべきことを考える鼎談をお届けする。

蜷川実花が立ち返る「写真を撮ること」の原点。下北沢DDDARTで「mirror, mirror, mirror mika ninagawa」プロジェクトを見る

東京・下北沢のギャラリーDDDARTで、蜷川実花による個展「mirror, mirror, mirror mika ninagawa」(3月13日〜5月31日)が開催されている。アートブックの制作に端を発したこのプロジェクトは、蜷川にとっていったいどのようなものとなったのか。アーティストにとってゆかりの深い下北沢という街で行われるプロジェクトについて、展示の中心となる座敷空間に腰を据え、話を聞いた。

NEWS / PROMOTION

「現代根付」文化や美術家を支える。文化庁長官特別表彰も受彰した、木下宗昭の文化支援活動とは?

佐川印刷の創業者であり、「京都 清宗根付館」「清宗記念館」の館長を務める木下宗昭。現代根付文化の発信や作家支援など長年の文化活動が評価され、2025年度の文化庁長官特別表彰を受彰した。その活動を紹介するとともに、文化庁長官の都倉俊一にも話を聞いた。

SPECIAL / PROMOTION

白木谷国際現代美術館とは何か。通常営業を終える「高知の前衛」の最終到達点を見る

高知県・南国市の山間部、笠ノ川川沿いにある白木谷国際現代美術館。高知の前衛集団として1960〜70年代に活躍した「前衛土佐派」で当時最年少メンバーだった美術家・武内光仁がつくった私設美術館だ。武内の前衛作品ともいえる本館、今後の存続も含めてレポートする。

NEWS / REPORT

PREMIUM

「芸術こそが、もっとも優れた外交手段」。フィンランドの文化政策に学ぶ、アーティスト海外進出の新戦略

フィンランドの文化機関がニューヨークの若手ギャラリー連合「NADA」と組み、フィンランド人作家のグローバルなアートマーケットへの参入を支援するプログラムを始動した。公私の資金を組み合わせ、「受け皿側」への助成という逆転の発想で成果を上げたその戦略を現地関係者への取材をもとに報告する。

INSIGHT

PREMIUM

舞台はサンパウロの「ボールの家」。建築とアートの調和を楽しむ第5回「アベルト」展をレポート

ブラジル・サンパウロを主な舞台にして開催される、著名建築家が手がけた家を舞台に展開される展覧会「アベルト(Aberto)」。その5回目が建築家エドゥアルド・ロンゴの私邸を舞台に開催中だ。会場の様子を、ブラジルを拠点とするフォトグラファー/ジャーナリスト・仁尾帯刀のレポートでお届け。

NEWS / REPORT

PREMIUM

第35回

山本一雄という「画家」について。遠山健一朗が語る「山本一雄 小さな部屋から」展(奈義町現代美術館)

美術館の学芸員(キュレーター)が、自身の手がけた展覧会について語る「Curator's Voice」。第34回は、岡山にある奈義町現代美術館で開催された「山本一雄 小さな部屋から」(2025年12月13日〜3月1日)について。同館学芸員の遠山健一朗は、岡山市のギャラリー722で行われた個展で画家・山本一雄の作品と出会う。そのときの距離や立ち位置によって変容する絵画体験に戸惑い、湧き起こる「もやもや」の正体を知りたいと願った遠山の衝動は、やがて山本の暮らす瀬戸内海にある国立療養所「長島愛生園」へと彼を向かわせた。