ハウザー&ワース、ジェフリー・ダイチが初参加。国際色豊かな「ギャラリーコラボレーション」
ACKの中心となるのが、国内外のギャラリーが共同で展示を行う「ギャラリーコラボレーション」だ。
今年は日本国内の25ギャラリーがホストとなり、海外27ギャラリーをゲストに迎えた。世界のアートマーケットを牽引する有力ギャラリーから、各地域で独自の活動を展開する新進気鋭のギャラリーまで、多様な顔ぶれが揃った。
なかでも注目を集めたのが、世界的なメガギャラリー、ハウザー&ワースの初参加だ。今回は東京のTARO NASUとブースを共有。ルイーズ・ブルジョワ、マルセル・ブロータース、ジェニー・ホルツァー、ロニ・ホーン、グレン・ライゴンら、文字や言語を表現の重要な要素としてきたアーティストたちの作品が紹介されている。それぞれに異なる時代や背景を持つ作家たちの作品を、言語という共通項から捉え直す構成は、ギャラリー同士が協働するACKならではの試みといえる。

また、東京のNANZUKAは、ニューヨークのジェフリー・ダイチと共同出展し、近藤亜紀をはじめとする女性作家3名を紹介。現代アートとストリートカルチャーを横断してきた両者による組み合わせもまた、ACKならではの国際的なネットワークを象徴するものとなった。

KOTARO NUKAGAとAlmine Rechによるブースでは、ジェームズ・タレルと森本啓太の2人が中心となった。光そのものを知覚の対象として扱い、空間と鑑賞者の関係性を変容させるタレルと、光の表現によって独自の絵画世界を追求する森本。アプローチこそ大きく異なるものの、精神的なものと物質的なものをつなぐ「光」という共通点が見出せる展示だ。

東京画廊+BTAPと韓国のGallery Hyundaiによるブースでは、「もの派」を代表する彫刻家である小清水漸や菅木志雄とともに、韓国の実験美術を牽引してきたイ・スンテクの作品が並んだ。日本と韓国でそれぞれ展開された前衛美術の動向を、同じブースで見比べることができる構成だ。

こうした組み合わせは、たんに国内外の作品をひとつの空間に並べるだけではない。時代や地域を異にする表現を隣り合わせにすることで、新たな美術史的な関係性を浮かび上がらせていた。
いっぽう、個々のアーティストの表現を空間全体へと発展させたブースもある。東京のPARCELとパリのSans titreは、土屋麗とリズロール・ペレスによる2人展を展開した。土屋は陶芸やパフォーマンス、映像などを横断し、動物と人間、大人と赤ん坊といった異なる存在の境界を探求してきたアーティスト。いっぽう、ペレスはドローイングや彫刻、インスタレーション、パフォーマンスを通じて、家庭用の布や木材、人形、パペットなどを組み合わせ、親密さやアイデンティティ、ジェンダー、傷つきやすさといった問題に向き合ってきた。今回のブースでは、部屋をイメージしたペインティングを空間構成へと発展させ、2人の作品が呼応するような展示がつくり出された。




















