Aルート|都心北部の美術館と個性豊かなギャラリーを巡る
東京国立近代美術館を起点に、江戸川橋、大塚、巣鴨、谷中など、都心北部に点在する個性豊かなアートスペースを巡るルート。
江戸川橋のWAITINGROOMでは、クィアフェミニストコレクティブ「Multiple Spirits(マルスピ)」が監修する「逆立つ翼のパッチワーク」を開催。ZINEや出版文化、少女文化、クィア文化、社会運動などのつながりに着目し、印刷物や多様な表現を通じた知の生成と共有のあり方を探る。

大塚のMISAKO & ROSENでは、ブラジル出身のエリカ・ヴェルズッティによる個展「彫刻の肖像」に注目したい。リュマ・アルルのレジデンスプログラムを率いるジュリー・ブクブザが監修し、彫刻をもとに制作されたドローイングやモノプリントを通じて、彫刻とイメージの関係を問い直す。
巣鴨のXYZ collectiveでは、オリヴィエ・ミニョンの監修による増塩太朗とソフィー・ニスの2人展を開催。写真や映像、彫刻など異なるメディアを用いる両者の作品から、身体性やセクシュアリティ、視線の政治性を考察する。
谷中の銭湯跡を改装したSCAI THE BATHHOUSEでは、土屋信子の個展「ハートのA」を開催。ロンドンのカムデン・アート・センターのディレクター、マーティン・クラークが監修し、廃材や日用品などを組み合わせた彫刻群が、空間全体に有機的な関係性を生み出す。

また、大手町のAWT VIDEOでは、上海のロックバンド美術館のX・ジュー=ノウェルが監修する「あなたのための旅行ガイド」を上映。10人のアーティストによる映像作品を通じて、場所や地理がいかに形成されるのかを問いかける。
Bルート|下町から京橋へ、美術館とギャラリーを巡る
下町情緒が残る清澄白河や錦糸町から、ギャラリーや新たな文化施設が集まる日本橋・京橋エリアまで、東京の東側を横断するルート。
清澄白河の東京都現代美術館では、戦後日本を代表する抽象彫刻家・造形作家、多田美波の大規模個展「多田美波 ─ 光、凛と ゆれる」を開催中。ステンレスやガラス、アクリルなどを用い、光と空間の関係を探究した約70年にわたる活動を、彫刻や照明作品、アーカイブ資料などから振り返る。

錦糸町の無人島プロダクションでは、グレッグ・ドボルザークと小野賢が監修する「日本国憲法展 2026」に注目。2023年から続く展覧会の第4回となる今回は、「シェルター」をテーマに、呉夏枝や高田冬彦らの作品を通じて、戦後民主主義の理念と現代社会の現実を問い直す。
東日本橋に移転したYumiko Chiba Associatesでは、ランド・アートの先駆者アラン・ソンフィストの日本初個展「消えゆく世界の残響」を開催中。絶滅危惧種の姿に自然や文化のイメージを重ねたコラージュ作品を通じて、環境と記憶の関係を探る。

京橋のアーティゾン美術館では、藤井光と石橋財団コレクションによる「WHOSE LIGHT? —だれのひかりか」を開催している。プラトンの「洞窟の比喩」を手がかりに、光と真理の関係を問い直しながら、古代から戦後に至るコレクションと藤井の新作を含む作品を展示する。
同じく京橋のTODA BUILDINGにあるYutaka Kikutake Galleryでは、アウグスト・アルビゾ監修のグループ展「THE QUIET」を開催。桂ゆきや櫃田伸也、竹下麻衣ら国内外の6作家による絵画を通じて、静けさや余白、抑制された表現が持つ可能性を探る。

































