ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画・制作した展覧会「ディーヴァ(DIVA)」が、東京・六本木の国立新美術館に巡回する。会期は2027年3月24日〜7月19日。その詳細が明らかになった。
テーマとなる「ディーヴァ」は、もともと19世紀のオペラ界で圧倒的な歌唱力や存在感をもつ女性歌手を指して使われてきた言葉だ。本展では、その意味が舞台や映画、ポピュラー・ミュージックへと広がりながら変化してきた約200年の歴史を、ファッションや社会、ジェンダーなどの観点から検証する。
会場には、V&Aの所蔵品や個人コレクションから約280点もの資料が集結。マリア・カラス、マリリン・モンロー、アデル、レディー・ガガ、エルトン・ジョン、リアーナ、ビョークらの貴重な衣装およそ60点を中心に、写真、映像、雑誌、ポスター、LP、さらに彼女たちをモデルにした版画までを網羅。多彩な作品を通して100名にのぼるディーヴァが立体的に浮かび上がる。

「ディーヴァ」の存在がいかに社会へ揺さぶりをかけたのか
構成は大きく2幕の仕立てだ。第1幕「ディーヴァの誕生」は「清らかな女神:初期のプリマドンナ」「ヴィクトリア朝時代の舞台のヒロイン」「ダンサーとショーガール」「サイレントの女神たち」「ハリウッドのディーヴァ」「比類なき歌姫」の6章で展開。19世紀のオペラ界の歌姫から20世紀のショービジネスを彩ったパフォーマーまで、「ディーヴァ」という言葉の輪郭とイメージの変遷をたどる。ここでは、サラ・ベルナール、イサドラ・ダンカン、マレーネ・ディートリッヒ、ジョセフィン・ベイカー、ジュディ・ガーランド、マリア・カラス、マリリン・モンローらが登場する。



続く第2幕「ディーヴァの再生・復活」も、「世界を動かす/RUN THE WORLD」「自由への旅立ち/I WANT TO BREAK FREE」「バックラッシュブルース/BACKLASH BLUES」「孤独の中で/ALL BY MYSELF」「自分を表現する/EXPRESS YOURSELF」「スター誕生/A STAR IS BORN」の6章構成だ。
1960年代の第2波フェミニズム(*)を起点に、公民権運動から現代に至る激動のなかでディーヴァたちの歩みを追う。性と人種の解放、多様な生き方の承認をめぐる闘いにおいて、彼女たちの表現がいかに力強い武器となってきたかを浮き彫りにする。ここでは、ビリー・ホリデイ、ニーナ・シモン、アレサ・フランクリンから、フレディ・マーキュリー、エルトン・ジョン、プリンス、マドンナ、ビョーク、ビヨンセ、レディー・ガガ、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュまでが一堂に会する。



*──第2波フェミニズムとは、女性参政権の獲得を目指した第1波フェミニズムに続き、「個人的なことは政治的なこと」というスローガンのもとに、社会構造における男女の不平等、不公平を解消しようとする運動を指す。
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