PREMIUM

第6回

連載:庄司朝美「トビリシより愛を込めて」第6回「コンパスを失くして」

2月末から海外研修先として、黒海とカスピ海のあいだにある小国・ジョージアに滞在している画家の庄司朝美。渡航直前の2月24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が開始された。隣国ともいえるウクライナの情勢を身近に感じながら、独自の文化を育んできたジョージアの首都トビリシからお届けする連載。トビリシに来て半年ほどが経った。

根津美術館で見る、めくるめく「蒔絵」の小宇宙

根津美術館の礎となった初代 根津嘉一郎(1860~1940)。コレクターとして一躍脚光を浴びるきっかけとなったのは蒔絵作品の購入だった。根津美術館で開催中の「蔵出し蒔絵コレクション」は、そんな嘉一郎が蒐集した蒔絵作品の粋をまとめて紹介する初めての機会だ。この展示から、蒔絵の魅惑的な世界を紐解く(会場および作品の撮影は報道用に許可を得たもの)。

NEWS / REPORT

手渡される語りと忘却。高橋ひかり評「MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」展

毎年、そのテーマ性とキュレーションで注目を集める「MOTアニュアル」。18回目のタイトルは、「 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」。大久保あり、工藤春香、高川和也、良知暁、4人のアーティストによる4つの物語は、鑑賞者に何を手渡し、語り継ごうとするのだろうか。高橋ひかりがレビューする。

REVIEW

民衆が担う版画表現のゆくえ。小笠原正・評 「彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動」展

戦後の日本で展開した2つの民衆版画運動、「戦後版画運動」と「教育版画運動」を約400点の豊富な作品と資料を通して紹介する「彫刻刀が刻む戦後日本」展。そこからは、戦後、民衆に働きかけるメディアとして版画が果たしてきた役割の大きさが見えてくる。また、戦前の版画運動・自由画運動を主導した山本鼎からの影響もうかがえる。本展を、山本鼎の研究者でもある上田市立美術館学芸員の小笠原正がレビューする。

REVIEW

「iichiko design」はいかにして生まれたのか。「イメージの力 河北秀也のiichiko design」が大分県立美術館で開催へ

大分県の酒造メーカーによるロングセラー商品「いいちこ」。そのアートディレクションを手がけ、全国的に有名なブランドへと押し上げた立役者・河北秀也の展覧会「イメージの力 河北秀也のiichiko design」が大分県立美術館で開催される。会期は2023年2月11日~3月29日。

NEWS / EXHIBITION

DVやジェンダー格差をめぐる飯山由貴の応答。森美術館での展示から見えてきたものとは

森美術館で開催中の「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」で、アーティスト・飯山由貴がドメスティック・バイオレンス(DV)をテーマにした新作を発表。同作の背景や展示のつくり方、そしてそこから見えてきた構造的な問題などについて、彫刻家/評論家の小田原のどかが飯山に話を聞いた。

INTERVIEW