1984年の創業以来、美術品オークション会社として国内外で数多くのアートオークションを企画・運営してきたニューアート・エストウェストが、東京・天王洲の寺田倉庫「E HALL」にて「Contemporary & Modern Art Auction」を9月24日に開催する。
本オークションでは、海外からオークションに出品される作品の下見会を、天王洲の「TERRADA ART COMPLEX Ⅱ」内に新たにオープンした常設型保税ギャラリースペースで実施。
この保税ギャラリースペースでは、関税等の支払いを留保した状態で閲覧・販売が可能であり、海外に配送される際にも煩雑な輸出手続きがないため、海外コレクターにとって作品を購入しやすくなっている。今後、日本のアートマーケットが広く海外に開かれるためにも注目される試みだ。
オークションと国内から出品される作品の下見会の会場は、運河沿いの倉庫をリノベーションした寺田倉庫のイベントスペース「E HALL」で開催される。国内のアートの集積地として海外からも注目を集める天王洲エリアで開催されるので、周囲には若手作家のアートを楽しめる「WHAT CAFE」や、数多くのアートギャラリーが入居する「TERRADA ART COMPLEX」などもあり、オークションとともにアート漬けの1日を過ごすことができそうだ。
オークションは9月24日土曜日の13時開始。下見会は9月21日〜23日の10時〜19時に開催される。なお、オンラインカタログも用意されているので、ぜひチェックしてほしい。
今回オークションに出品されるのは、コンテンポラリーアートから戦後美術、モダンアートまで国内外の有名作家の作品や、現在注目を集める若手作家の作品まで全154ロット。
なかでも注目なのは草間彌生の《INFINITY-NETS TOWPP》だ。正方形のキャンバスである本作は162×162センチメートルと大型のもので、近年、これほどのサイズの草間作品が国内オークションで出品された例はない。青と赤の鮮烈なコントラストが印象的な本作の予想落札価格は1億8000万〜2億8000万円となっており、高額の入札が見込まれそうだ。このほか、草間の作品では《葡萄》のキャンバス作品をはじめ、版画などが多数出品されて充実している。
また、色鉛筆による奈良美智のドローイングにも注目したい。奈良のアイコンともいえる少女の姿が大きく描かれており、市場ではなかなか出会うことができない作品だ、予想落札価格は2000万〜3000万円で、こちらも多くの注目を集めそうだ。
ほかにも現代美術作品ではロッカクアヤコ、細川真希、Mr.、タカノ綾、塩田千春、土屋仁応、井田幸昌、Mr Doodle、Backside works、KYNE、KAWS、花井祐介といった、注目の若手作家の作品を展示。また、中国人アーティスト・黄宇興(ファン・ユシン)は日本で出品されることは希少で、貴重な機会となりそうだ。
戦後美術では山口長男や、60年代の良品が出品される白髪一雄、磁器の立体作品が出品される李禹煥(リ・ウファン)、オノサト・トシノブ、森山大道などが揃う。
海外勢ではポップアートの巨匠・アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンシュタイン、ジャスパー・ジョーンズ、サム・フランシスなどが出品。また近代美術でも藤田嗣治、ピカソ、シャガール、ムンク、アンドレ・ロート、棟方志功など、安定した人気を誇る作家の作品が登場。なかでも藤田の油彩画《帽子の少女》の予想落札価格は1500万〜2500万円と、高額になっている。
オークションの参加方法も、会場入札、電話入札、書面入札、LiveBid入札と様々な方法が用意されており、9月23日の18時まで受けつけている。
なお、次回のオークションは「11月東京オールジャンルオークション」で出品募集の締切は10月17日。ジャンルはコンテンポラリー、モダンアート、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、西洋装飾美術、日本・東洋美術となっている。