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モディリアーニの軌跡──《髪をほどいた横たわる裸婦》誕生まで

長く引き伸ばされた顔や首に、瞳のないアーモンド形の目。不気味さの中にも、独特の哀愁と優美さを感じさせ、一度見たら、忘れることはできない。そのような画風と、酒と麻薬に溺れた短い生涯から、「呪われた画家」「破滅型の天才」といったイメージで語られやすい画家アメデオ・モディリアーニ。しかし、その画家としての経歴を紐解いてみると、ままならぬ現実に葛藤し、苦悩しながらも、真摯に自分の「芸術」を追い求めていく、一人の男の姿である。今回は、大阪中之島美術館で開催中の開館記念特別展「モディリアーニ」に寄せ、彼の描いた裸婦像の最高作とも言うべき《髪をほどいた横たわる裸婦》誕生までをたどってみたい。

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ラテンアメリカ初の個展から読み解く、写真家・森山大道の特殊性

パンデミックによるおよそ1年間の延期を経て写真家・森山大道の「一つの回顧」展がサンパウロのモレイラ・サレス財団(IMS)で開催中だ。ラテンアメリカ初となったこのたびの森山大道の個展は、250点を超える写真作品とともに、複数の動画と多数の書籍の展示でその創作の軌跡を紹介する内容だ。その規模はこれまで日本国外で行われた個展のなかでも有数のもの。本展を企画したIMS現代写真キュレーターのチアゴ・ノゲイラに企画の経緯とその狙いについて尋ねた。

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パンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻──ヴェネチア・ビエンナーレ第59回国際美術展は何を伝えるのか?

パンデミックの影響で開幕が1年延期されていたヴェネチア・ビエンナーレ第59回国際美術展が、4月23日に開幕した。プレビューに駆けつけた現代アート関係者が再会を喜びながら人気の会場に列をつくる横で、ロシア館は閉鎖され、ウクライナ支援のための展示が急遽開かれている。史上最大数の女性アーティストが参加し「女性のビエンナーレ」とも評される企画展と併せて、見どころをピックアップする。

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ゲルハルト・リヒター・アーカイブに見る、リヒターの生き様

今年90歳を迎えたゲルハルト・リヒター。生まれ故郷、東部ドイツの古都ドレスデンで、リヒター本人が作品を選び、構成した展覧会「ゲルハルト・リヒター。ポートレート。ガラス。アブストラクト」が開催されている。ガラスパネルを使ったインスタレーションや肖像画など40点が3つの部屋に並ぶ展示だが、この構成にはリヒターの個人的な思いやメッセージが色濃く反映されているようだ。ドレスデンのゲルハルト・リヒター・アーカイブを率い、著作「評伝ゲルハルト・リヒター」でも知られるディートマー・エルガー博士に話を聞いた。

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美人画だけではない。鏑木清方の世界に触れる

美人画の大家として、上村松園と並び称された画家・鏑木清方。しかしその画業を見渡せば、美人画のみならず風景画や風俗画、肖像画など幅広い仕事をしていたことがわかる。東京国立近代美術館で開催中(5月27日より京都国立近代美術館に巡回予定)の「没後50年 鏑木清方展」に寄せ、《築地明石町》を起点に、美人画にとどまらない彼の画業をいま一度見直す。

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商業美術の系譜から、美術史家・矢代幸雄を通して見る当時の美術界まで。『美術手帖』4月号新着ブックリスト(2)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。山下裕二が日本美術史における「商業美術」の系譜を提示する1冊から、大正〜昭和に活動した美術史家・矢代幸雄の交友関係を通じて当時の美術界の状況を描き出す書まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

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Chim↑Pom エリイのエッセイ集から、危機の時代を生き延びるアートプロジェクトまで。『美術手帖』4月号新着ブックリスト(1)

新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。Chim↑Pomのエリイが海外での体験や妊娠・出産経験を綴るエッセイ集から、2000年代以降の「危機の時代」に行われたアートプロジェクトを紹介する一冊まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。

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カラヴァッジョはいかに「飛躍」したのか? 初期の傑作《音楽家たち》から考える

カラヴァッジョの《音楽家たち》。この名画は初期に数多く描かれた少年像のひとつであり、1600年の《聖マタイの召命》によるデビューやその後の活躍、ひいては17世紀のバロック美術を代表する巨匠となっていく道程へとつながっていく重要な作品としても位置づけられる。今回はこの《音楽家たち》を含む、カラヴァッジョの初期の少年像に焦点を当て、彼の「成長」のプロセスを追ってみたい。

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10のナラティブ。「ナラティブの修復」展に寄せて

アートの表現を「ナラティブ」の一形態としてとらえてみること。せんだいメディアテークの開館から20年、東日本大震災から10年という節目に集った10のナラティブは、どのように紡がれ、他者へとどう開かれていくのか。担当キュレーター・清水建人による語りでお届けする。

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NFTは新たな信仰のかたちとなるか?

3DCGやピクセルアニメーション、3Dプリント、VR、NFTなどのテクノロジーを使用し、東洋思想による現代美術のルール書き換えと、デジタルデータの新たな価値追求をテーマに作品を制作しているアーティスト・たかくらかずき。古来から続く信仰(心)と現在のアートシーンを賑わせるNFTアートを接続した、まったく新しいNFT/テクノロジーアート論をお届けする。

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世界的デザイナー、コンスタンチン・グルチッチが見据える「ニューノーマル」とは?

パンデミックは私たちの日常生活全てに影響を与えている。新しい生活様式が定着しつつある今、ドイツ、ベルリンの現代美術館で、世界的なインダストリアル・デザイナー、コンスタンチン・グルチッチが「ニューノーマル」を模索する展覧会を開催している。気鋭のデザイナーが見る未来のかたちとは。

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博物館法よ、お前もか。

2月22日、博物館のあり方を定義する「博物館法」の改正案が閣議決定された。博物館への登録要件を緩和するかたちとなった今回の改正の問題点を、博物館法が専門の名古屋大学教授・栗田秀法が指摘する。

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アートを通して起こる地域とクリエイションの循環。国東半島を舞台に実施される「石の部屋」ツアーとは?

2020年に大分県豊後高田市の長崎鼻にオープンした「不均質な自然と人の美術館」。福岡を拠点とするクリエイティブ・ラボ「anno lab(あのラボ)」による3点のインスタレーション作品が常設される美術館だ。メンバーは開館の準備段階から土地との関わりを深め、現地の文化に触れていくなかで新作《石の部屋》の構想を温めた。来たる3月5日〜6日、その作品発表に伴い、国東の自然と文化を深く体験できる「石の部屋」ツアーが実施される。

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