MAGAZINE

「信頼できない語り手」によるモノローグ。池上裕子評「キュレトリアル・スタディズ16 荒木悠 Reorienting ─100年前に海を渡った作家たちと─」

京都国立近代美術館コレクションにおける戦後アメリカ美術の不在への関心から、「キュレトリアル・スタディズ16」企画者の渡辺亜由美は、日本とアメリカで育ったアーティスト・荒木悠を迎え、日系移民作家の視点を通じた「もうひとつのアメリカ美術史」を掘り起こすことを試みた。本展での荒木悠の作品は、歴史叙述と個人史を攪乱しながら再編する“欺術”の装置として機能し、日系画家である国吉康雄、石垣栄太郎、野田英夫らの作品に潜む複層的な視線を照らし出す。この意欲的な試みを美術史研究の池上裕子が読み解く。

REVIEW

第28回

美術批評はいかにして輸入されるのか? 1997年1〜3月号連載「他の批評基準」

『美術手帖』創刊70周年を記念して始まった連載「プレイバック!美術手帖」。アーティストの原田裕規が美術手帖のバックナンバーを現在の視点からセレクトし、いまのアートシーンと照らしながら論じる。今回は、1997年1〜3月号で連載された「他の批評基準」をお届けする。

PREMIUM

ウェス・アンダーソン初となる回顧展がロンドンで開催中。映画の衣装や小道具が一堂に

『ダージリン急行』や『グランド・ブダペスト・ホテル』で知られる映画監督ウェス・アンダーソン。その大規模な回顧展「ウェス・アンダーソン:ジ・アーカイヴス」がロンドンのデザイン・ミュージアムで開催中だ。自身のノートから映画の衣装や小物まで、30年間の輝かしいキャリアを示す貴重な品々およそ700点が並ぶ。

NEWS / REPORT

PREMIUM

美術館は贋作とどう向き合うべきか?

科学分析調査などを経て、贋作だと判断された高知県立美術館所蔵のハインリヒ・カンペンドンクの油彩画《少女と白鳥》。同館では、本作の公開を含む特別展示・調査報告「再考《少女と白鳥》 贋作を持つ美術館で贋作について考える」が開催された。一連の調査や展覧会の開催について、塚本麻莉(高知県立美術館学芸員)と、科学調査の実施兼本展監修者である田口かおり(修復家・京都大学准教授)に話を聞いた。

INTERVIEW

PREMIUM

エスパス・ガブリエル・シャネル、上海に誕生。中国初の現代美術公共図書館を中心とした新文化拠点

上海当代芸術博物館(PSA)3階に、新たな文化・芸術プラットフォーム「エスパス・ガブリエル・シャネル」がオープンした。図書館、アーカイヴ、劇場、デザインギャラリーを備える大規模複合空間は、中国現代美術の研究・発信拠点として新たな役割を担う。

NEWS / REPORT