
分離派再検証の場に立ち現る新たな一派。 檜山真有評「分離派建築会100年 建築は芸術か?」
日本最初の建築運動とされる「分離派建築会」を再検証する展覧会「分離派建築会100年 建築は芸術か?」が、京都国立近代美術館で開催されている。なぜいま、分離派に焦点を当てるのか。本展を、キュレーターの檜山真有が論じる。

日本最初の建築運動とされる「分離派建築会」を再検証する展覧会「分離派建築会100年 建築は芸術か?」が、京都国立近代美術館で開催されている。なぜいま、分離派に焦点を当てるのか。本展を、キュレーターの檜山真有が論じる。

2020年10月から2021年1月にかけて東京都庭園美術館で開催された、青木美歌、淺井裕介、加藤泉、康夏奈、小林正人、佐々木愛、志村信裕、山口啓介が参加した展覧会 「生命の庭 8人の現代作家が見つけた小宇宙」。キュレーターの長谷川祐子が、同展における空間と作品、そして観客との関係性が生み出していたものを論じる。

58年に写真集『アメリカ人』を出版し、ロードムービーのように当時のアメリカ社会を悲壮感とともに映し出した作品で評価を得たロバート・フランク。スイスのヴィンタートゥーア美術館で開催されたその回顧展を出発点に、戦後日本写真の展覧会の限界と今後を清水穣が論じる。

岡本太郎と深い親交を結んだスイス生まれの芸術家、クルト・セリグマン。川崎市岡本太郎美術館で開催された「クルト・セリグマンと岡本太郎」は、岡本の「空間」「リボン」シリーズにセリグマンの影響を探り、両者の友情が戦後の日本美術界にもたらした影響や意義を検証する展覧会だ。岡本の作品に登場する「リボン」をきっかけとして、本展を椹木野衣がレビューする。

美術手帖では、批評家や学芸員らによる展覧会レビューを毎月掲載。そのなかから、11月に公開された全8本をお届けする。各レビューの詳細はリンクから全文をチェックしてほしい。

長時間にわたり、ある身体的な行為を繰り返すパフォーマンスを展開してきた関優花。その個展「私をばらばらに説明する」が、約2年ぶりの再始動となるノマドギャラリー「ナオナカムラ」で開催された。展示空間内において、「私」という個人を「女性」「パフォーマー」「アーティスト」といった単純な属性にカテゴライズされず表現することは可能だろうか。本展を埼玉県立近代美術館学芸員の佐原しおりがレビューする。

現代の生命科学論的な思索にもとづき、コンピュータ・シミュレーションによって生まれる自己組織的なプロセスやパターンを作品のモチーフとする村山悟郎。本展では代表作の織物絵画を展開させ、たんぱく質のフォールディングにおける、3次元構造が折りたたまれる生成過程を参照した新作を発表した。キュレーターの四方幸子が新たな展開を中心に読み解く。

ポーラ美術館の「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」は、日本とフランスという2国間の芸術交流をテーマにした展覧会だ。同館の収蔵作品約80点に国内外からの借用作品約50点を加え、大量のモノや情報、人の往来が可能となった時代に培われてきた双方の芸術を検証する同展。ここでは展覧会の導入部に展示された荒木悠の作品を軸に、展覧会のテーマ全体を考察する。

美術批評家の椹木野衣が企画・監修するグループ展「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989-2019」が、京都市京セラ美術館で開催されている。平成日本の美術史をアーティストグループの活動から振り返る本展を、文化研究者の山本浩貴がレビューする。

東京・銀座の資生堂ギャラリーにて、同社による公募プログラム「shiseido art egg」の入選者のひとり、藤田クレアによる個展が開催された。様々な素材を組み合わせたインスタレーションにより、世界における差異やコミュニケーションのあり方を想起させる作家による試みを、アート・トランスレーターの田村かのこがレビューする。

「クイックターン・ストラクチャー(QTS)」をモチーフとするアーティスト・大山エンリコイサムの個展「夜光雲」。神奈川県民ホールギャラリーでの過去最大級となる大山の個展を、横浜美術館館長の蔵屋美香が作品の持つ構造と身体性から論じる。

2017年以降国内外での発表が相次ぐ泉太郎が、2020年9月にスイス・バーゼルのティンゲリー美術館で個展「ex」を開催。本展は、ネットワーク社会における「クラウド=雲」をテーマとした新作を軸に行われた。タイトルにも冠された「ex」をキーワードに、アーティストのキャリア、そしてその作品を貫く態度について清水穣が論じる。

コロナ禍のなか、全面的にオンラインで開催された「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2020」と、佐渡島内の複数箇所で行われ来年本開催を予定する「さどの島銀河芸術祭プロジェクト2020」。「現代山形考〜藻が湖伝説〜」といったプロジェクトを含む前者と、PCR検査を導入したライヴなどを開催した後者のあいだの共通点とは何か? 椹木野衣がレビューする。

「翻訳」をコミュニケーションのデザインとしてとらえ、情報学研究の立場からドミニク・チェンが企画した本展。「互いに異なる背景をもつ『わかりあえない』もの同士が意思疎通を図るためのプロセス」としての翻訳の可能性を考えようとする挑戦的な内容を、物語論や言語哲学への関心を軸として制作する、アーティストの大岩雄典がレビューする。

3月に開館30周年を迎える芦屋市立美術博物館が、2020年9月から11月にコレクション展を開催した。30年の歩みのなかで収集してきたコレクションの全作家126名の作品群から、本展の企画協力者である福永信が選出し、学芸員が展示構成した約190点。同館をかたちづくる膨大な作品群と鑑賞者が対峙する空間において、本展ではどのような工夫がなされたのか? キュレーターの小金沢智がレビューする。

TALION GALLERYで開催された温田山、NAZE、大岩雄典による「一番良い考えが浮かぶとき」展。その関連動画としてYouTubeにて公開された本作は、会期中にあらわれた霊に、イラストレーターの山本悠と、大岩が迫るというもの。いくつもの伏線を抱えた本作の謎解きに、美術批評家の中島水緒が挑戦する。

東京・銀座の画廊香月にて、1950〜60年代に活動した前衛美術集団「九州派」の展覧会が開催された。九州を拠点としてアート界のヒエラルキーに挑戦した彼らの活動を、いま考える意義とは? 文化研究者の山本浩貴がレビューする。

石内都、大塚勉、今道子、髙﨑紗弥香、田附勝、中村綾緒、野口里佳、野村恵子。それぞれの作品世界も、世代も異なる8作家の新旧作品を「皮膚」というキーワードで組み合わせた企画展。厳選された作品群が描き出す“光と闇”、“生と死”の気配は、いま我々に何を想起させるだろうか? これまで写真展も多く手がけてきた、アーツ前橋学芸員の北澤ひろみが批評する。

男性優位構造のアート界に横行するジェンダーアンバランスや相次ぐハラスメント。この状況に対し、岩崎貴宏企画のもと16組のアーティストが展覧会というかたちで声を上げた。「カナリアがさえずりを止めるとき」と題された本展を、キュレーターの檜山真有がレビューする。

2020年6月から7月にかけて東京・六本木のシュウゴアーツにて開催された、アンジュ・ミケーレの個展「イマジナリウム」。 アルミの紙に円を描いたシリーズ「circle」を始め、24点近くの新作絵画がコロナ禍で発表された。同展が提示した精神性とこれからの時代への希望を、キュレーターの長谷川祐子がレビューする。