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「道草展」から「彼女たちは歌う」まで、10月のレビューをプレイバック

美術手帖では、批評家や学芸員らによる展覧会レビューを毎月掲載。そのなかから、10月に公開された全10本をお届けする。各レビューの詳細はリンクから全文をチェックしてほしい。

「道草展:未知とともに歩む」展示風景より、上村洋一《息吹のなかで》(2020) 撮影=根本譲

篠原雅武評 川内倫子「as it is」展

展示風景 画像提供=POST

 風景や自然物をモチーフに、生命の循環をとらえてきた写真家・川内倫子。新作『as it is』は、自身の出産から約3年間におよび、子供の成長していく姿や身近な風景を写した写真集だ。本書の出版を記念した個展について、環境人文学を専門とする哲学者・篠原雅武が論じる。
 

松久保修平評 竹田信平 「声紋源場」プロジェクト

地面に描かれたARマーカー 撮影=藤崎淳

 メキシコ・ティファナとデュッセルドルフを拠点に、長く核の問題をテーマとして活動してきたアーティスト竹田信平が、今夏長崎にて被爆者の「声」を使ったプロジェクト「声紋源場」の公開制作とパフォーマンスを行った。プロジェクトの過程を見てきた長崎県美術館学芸員の松久保修平がレビューする。
 

若山満大評「京都の美術 250年の夢 最初の一歩:コレクションの原点」

「第四章 第21回院展と第15回帝展」の展示風景。
左は、第15回帝展で特選となった菊池契月《散策》(1934) 撮影=福永一夫

 2020年のリニューアルオープンにあわせ、京都市京セラ美術館にて開催された開館記念展「京都の美術 250年の夢 最初の一歩:コレクションの原点」と題した本展では、同館の歩みを振り返るとともに、コレクションの原点となる所蔵作品47点を一挙に展示した。「最初の一歩」はいかに踏み出されたのか? インディペンデント・キュレーター若山満大がレビューする。
 

山本浩貴評 「道草展:未知とともに歩む」

ロイス・ワインバーガー ワイルド・エンクロージャー 2020 Courtesy of Studio Lois Weinberger and Krinzinger Gallery, Vienna 撮影=根本譲

 水戸芸術館 現代美術ギャラリーにて、人と環境のつながりを考える 「道草展:未知とともに歩む」開催されている。植物や自然をテーマとする6組が参加する本展について、文化研究者の山本浩貴がレビューする。
 

石毛健太評 DIEGO個展「ALways Secret OK」

DIEGO個展「ALways Secret OK」展示風景 Photo by Shin Hamada

 グラフィティやストリートアートに精通した独自の視点で表現を仕掛け続けるDIEGO。東京・外苑前のワタリウム美術館地下にあるミュージアムショップ、オン・サンデーズで開催された個展「ALways Secret OK」は、店舗の至るところに作品が仕掛けられた。同展でDIEGOはいかなる「遊び場」をつくり上げたのか、アーティストでインディペンデントキュレーターの石毛健太が論じる。
 

横山由季子評「Re construction 再構築」展

「空間」セクションの展示風景。手前の立体は冨井大裕、壁面は小野木学の作品 撮影=川瀬一絵

 練馬区立美術館の開館35周年を記念し、近代洋画や日本画などの所蔵作品と、現代美術作家がそれらから着想して制作した新作のコラボレーション展が開催された。本展について、金沢21世紀美術館学芸員の横山由季子がレビューする。
 

小田原のどか評「彼女たちは歌う Listen to Her Song」展

展示風景より、遠藤麻衣《私は蛇に似る》(2020) 撮影=堀蓮太郎

 アート界でもジェンダーバランスや性の多様性に注目が高まるなか、東京藝術大学大学美術館 陳列館では、女性アーティストのみ11名による展覧会「彼女たちは歌う Listen to Her Song」が開催された。会期終了後もウェブマガジンというかたちで続いている本展は、何を訴えるのか? 小田原のどかが論じる。
 

檜山真有評「夏の所蔵作品展 サマーミュージアム 戦後75周年特集」「日常の光−写し出された広島」

「日常の光−写し出された広島」より、笹岡啓子の展示風景

 現在、広島は「ヒロシマ」が掲げた平和を探り直すように街全体が生まれ変わろうとしている。広島県立美術館では、「夏の所蔵作品展 サマーミュージアム 戦後75周年特集」と「日常の光−写し出された広島」を同時開催。前者では1945年8月6日をめぐる表象を紹介し、後者では戦後から現代へ移り変わるなかでの同県出身の写真家たちの視線をたどった。両展を、キュレーターの檜山真有がレビューする。
 

山本浩貴評「アイヌの美しき手仕事」

首飾り(タマサイ) 部分 日本民藝館蔵

 日本民藝館(東京)にて、アイヌ民族の工芸品を紹介する展覧会が開催されている。文化や民族の多様性とその重要性が再考されるなかで、周縁化されてきた少数民族の営みをどう見るべきか。文化研究者の山本浩貴がレビューする。
 

高嶋慈評「彼女たちは歌う Listen to Her Song」展

ユゥキユキ《あなたのために、》(2020)の展示風景 撮影=堀蓮太郎

 8月に開催された本展は東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020の一環として、11人の女性アーティストが参加。荒木夏実によるキュレーションのもと、性や種、場所や時代を超越した新たな関係性を探求し、表現によって浮かび上がらせることを試みた。本展について、高嶋慈がレビューする。

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