
幾何学模様の樹木を描き続ける、ベンジャミン・バトラーに聞く。
樹木や森、山といった自然の風景を題材に格調高さと親しみやすさが共存する、色彩豊かで抽象的な油彩画を、ベンジャミン・バトラーは長年にわたり制作している。2016年3月12日~4月23日に開催された個展に際し、確固たる信念で変わらぬテーマに挑み続ける作家に話を聞いた。

樹木や森、山といった自然の風景を題材に格調高さと親しみやすさが共存する、色彩豊かで抽象的な油彩画を、ベンジャミン・バトラーは長年にわたり制作している。2016年3月12日~4月23日に開催された個展に際し、確固たる信念で変わらぬテーマに挑み続ける作家に話を聞いた。

アメリカ抽象表現主義の第2世代の作家として位置づけられてきたサイ・トゥオンブリーは、即興的な線や絵具、数字やアルファベットを組み合わせた絵画や彫刻作品を多く残している。その一方で、画業と並行し未発表のまま写真制作を続けていた。そんなトゥオンブリーの写真が一堂に集結する展覧会「サイ・トゥオンブリーの写真-変奏のリリシズム-」展がDIC川村記念美術館(千葉)で開催されている。輪郭がおぼつかないほど光にあふれた写真からわかるトゥオンブリーが眺めていた景色とは? トゥオンブリーの写真制作の裏側や本展の見どころとともに、トゥオンブリーの表現手法について本展担当学芸員の前田希世子に聞いた。

第95回
1976年群馬に生まれ国内外で映像を学んだ小泉明郎は、国際的な舞台で日本独特の要素と実験的な手法によって独自の映像表現を探究している。「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」展(東京都現代美術館)へ出品不可となった連作《空気》(2016)は、同館から徒歩圏内にあるギャラリー、無人島プロダクションにて発表された。アートにおける表現の自由と規制について議論を巻き起こした本作品を、椹木野衣がレビューする。

第8回
アーティストのミヤギフトシによるブックレビュー連載。第8回は、青来有一の小説『私は以来市蔵と申します』を発端にして、同じ長崎を舞台にした遠藤周作『沈黙』の世界を辿りながら、連綿とつらなる作家の想像力に迫ります。

第10回
『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本の中から注目したい作品をピックアップ。毎月、図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を紹介。2016年7月号では、ドイツの美術史家による、現代美術の巨匠・李禹煥についての本格的論考『李禹煥 他者との出会い─作品に見る対峙と共存』を取り上げた。

映像の持つ「時間」の機能に着目し、空間において「再現可能な体験」の展示を試みてきた山城大督。森美術館(東京・六本木)で開催中の「六本木クロッシング2016展:僕の身体(からだ)、あなたの声」では、展示空間に映像と劇場のメソッドを展開させた画期的な手法で作品を発表している。新たな表現方法を探究する作家に、作品制作の背景と今後の展望について話を聞いた。

初心者にもやさしい直感的な操作が可能な多機能・低価格のペイントソフトとして、多くのクリエイターから支持を得ているペイントソフト「openCanvas」。声優の上田麗奈が、同ソフトのメインアートワークを手がけた人気イラストレーター・藤ちょこさんにその魅力を教わる連載です。これまで描いてきた少女(いもちゃん改め、コスモちゃん)も、いよいよ最後の仕上げ。デジタルならではの機能で、画面全体に様々な演出をしていきます。

第6回
ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会をキュレーターとして扱ってきた櫛野展正。自身でもギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちにインタビューし、その内面に迫る連載の第6回は、様々な障害と闘いながら力強い絵を描く、ラーテルさん(あなぐまハチロー)さんを紹介する。

赤、青、黄、緑など多色のフラスコ型のオブジェを棚台に並べて実験室のような場を現出させ、見る者を異世界へと誘うような空間を生み出すイライアス・ハンセン。3月19日〜4月30日にタケ・ニナガワ(東京)にて開催された個展に際し、インタビューを行い、その作品世界を構成するガラスのオブジェへの思いと制作プロセスに迫った。

先天的な足の病気をもって生まれ、義足で生活するアーティスト・片山真理。現代美術や音楽、執筆など、幅広い分野で活動し、森美術館(東京・六本木)で開催中の「六本木クロッシング2016展:僕の身体(からだ)、あなたの声」にも参加している。自身の身体に向き合いながら作品を制作する片山に、制作活動や、これまでの人生について話を聞いた。

第94回
グラフィックデザインソフトのIllustratorを使ったイラストレーション、アニメーション、彫刻といった幅広い方法で、独特の世界観を描き出してきた青島千穂。自然災害や都市の風景をモチーフに、彼女の表現が新たな展開を見せた京都カイカイキキ ポップアップギャラリーでの個展を、椹木野衣がレビューする。

空きテナントのファサードや不動産屋が案内する空き部屋の光景など、寂寞としてニュートラルな状態のモチーフを厚塗りの絵具で描き出す、1983年生まれの富田直樹。現在、MAHO KUBOTA GALLERY(東京・外苑前)にて、新作展「郊外少年/suburban boy」(5月10日〜6月11日)が開催中だ。本展では、大都市近郊の風景やフリーターの若者たちをモチーフとした作品を発表している富田に、作品について聞いた。

初心者にもやさしい直感的な操作が可能な多機能・低価格のペイントソフトとして、多くのクリエイターから支持を得ているペイントソフト「openCanvas」。その魅力を、同ソフトのメインアートワークを手がけた人気イラストレーター・藤ちょこさんが、声優の上田麗奈に教える連載です。デジタルイラストの制作はまったく初めての上田ですが、次々にわき上がってくるイメージを形にするべく、藤ちょこ先生の指導で「openCanvas」の様々な機能を使いこなしていきます。今回は、過去4回の講座で描いた少女像(いもちゃん改め、コスモちゃん)に背景を描いていきます。

第1回
益永梢子は、複数のタイルや折りたたまれたキャンバスなどを支持体に、日常の所作や思考の跡が表れるような作品を展開してきた。gallery yolcha(大阪)で開催された個展「ルラン タット パダンパダン」では、蝶番でつながれたパネルの絵画作品を中心に展示。素材や形態の組み合わせが不思議なリズムを生み出した本展を、鈴木俊晴がレビューする。

現代社会における個の人間像から都市に潜むインフラまでを、それらの流動性のなかでとらえようとするフィリピン出身のアーティスト、ポクロン・アナディン。2月から3月にかけてTARO NASU(東京・馬喰町)で開催された個展「Sidereal Message」に際し、万物の移ろいの匿名的な観測者たらんとする作家の試みに迫った。

第9回
『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本の中から注目したい作品をピックアップ。毎月、図録やエッセイ、写真集など、さまざまな書籍を紹介。2016年6月号では、近年興隆が目覚ましい、地域を舞台にしたアートフェスティバル(=地域アート)をめぐる議論を収めた、藤田直哉編・著『地域アート 美学/制度/日本』を取り上げた。

第7回
アーティストのミヤギフトシによるブックレビュー連載。第7回は、津島佑子の遺作『ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語』の舞台となった網走から知床を訪ね、北方民族の物語を読み継いでいく。

第2回
ドイツと日本を拠点に活動する1979年生まれの田幡浩一は、一枚一枚の絵画を連続で見せる手法で映像を制作し、静止画と動画による多様な表現を試みている。ギャラリー小柳で開催した個展「one way or another」では、連続するドローイングによる動画とその原画、「ズレ」をテーマに描いた絵画作品を発表した。繰り返し描かれる静物画が展示された本展を、中尾拓哉がレビューする。

第5回
ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会をキュレーターとして扱ってきた櫛野展正。自身でもギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。櫛野による連載企画「アウトサイドの隣人たち」第5回は、時代の面影を残した品々を蒐集し展示する、坂一敬(さか・かずたか)さんを紹介する。

「センシング(感覚、感知)」をテーマに、映像、パフォーマンス、インスタレーション、サウンド・アートなど、多様な表現形態の作品を発表している若手アーティスト、ナイル・ケティング。森美術館(東京・六本木)での「六本木クロッシング2016展:僕の身体(からだ)、あなたの声」にも参加し、注目を集めている。同時に開催中の個展「ホイッスラー」の会場である山本現代(東京・白金高輪)にてインタビューを行い、2つの展示や自身の活動について話を聞いた。