友達アートの射程 じゃぽにか論②

近年、ネットを中心に目にする機会の増えてきた「友達アート」という言葉。「地域アート」批判でアートシーンに一石を投じた評論家・藤田直哉が、「炎上アート集団」じゃぽにかの現在進行形の活動を通して、同時代美術における「友達アート」の可能性をつかみ出す論考。全5回にわたって特別掲載する。

INSIGHT

杉本博司が見せる文明の終焉 東京都写真美術館リニューアル開館

約2年の改修休館を経て、9月3日に東京都写真美術館がリニュ--アルオープンを迎える。新たな愛称に「TOP MUSEUM」を掲げ、写真・映像分野で世界トップクラスを目指すという同館。照明や床、可動壁などのインフラ改修に加え、ミュージアムショップやカフェの刷新など、恵比寿の新たなランドマークとして生まれ変わる。そのこけら落としとなるのが「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展だ。「海景」や「ジオラマ」シリーズなどで知られる杉本が、本展では「文明の終焉」をテーマに新たな展開を見せる。

NEWS / REPORT

友達アートの射程 じゃぽにか論①

近年、ネットを中心に目にする機会の増えてきた「友達アート」という言葉。「地域アート」批判でアートシーンに一石を投じた評論家・藤田直哉が、「炎上アート集団」じゃぽにかの現在進行形の活動を通して、同時代美術における「友達アート」の可能性をつかみ出す論考。全5回にわたって特別掲載する。

INSIGHT

BIGBANGのT.O.P、サザビーズで ゲストキュレーターに

韓国の人気アイドルグループBIGBANGのメンバーで、アート・コレクターとしても知られるT.O.P(トップ)がサザビーズと初めてコラボレーション、ゲストキュレーターとしてデビューすることが決定した。オークションにはT.O.Pと親交があり、新鋭コレクターとして世界的に注目を集めるスタートトゥデイ代表取締役の前澤友作や、アーティストの村上隆、名和晃平らが協力者として名を連ねており、収益の一部はアジアの新興アーティスト支援のため、ACC(非営利財団アジアン・カルチュラル・カウンシル)に寄付される。

NEWS / MARKET

トーマス・ルフ、日本初の回顧展 開幕「写真はさらに発展する」

現代写真の世界において最も重要なアーティストのひとり、トーマス・ルフの日本初となる美術館個展が8月30日より東京国立近代美術館で開催される。2013年に国立新美術館で個展を開催したアンドレアス・グルスキーに続く、「ベッヒャー派」の展覧会としても、開幕前より話題を集めていた。本展は18シリーズ、122点の作品で構成。初期の「Interieurs」(Interiors)やルフの代名詞的存在でもある「Porträts」(Portrait)をはじめとする代表作が集まるほか、最新作の「press++」シリーズでは、本展が世界初公開となる作品も展示されている。

NEWS / HEADLINE

第8回

櫛野展正連載:アウトサイドの隣人たち ⑧家族をつなぐ壁新聞

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたキュレーター・櫛野展正。現在、ギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちにインタビューし、その内面に迫る連載の第8回は、40年以上にわたって一家の出来事を新聞にしている山田義廣・トヨ子夫妻を紹介する。

第5回

「愛」の感触を語る。地主麻衣子「新しい愛の体験」展

1984年生まれの地主麻衣子(じぬし・まいこ)は、大学在学中にドローイングや小説を制作、2010年から映像を撮り始め、これまでさまざまなメディアを組み合わせた作品で独創的な表現方法を探究してきた。HAGIWARA PROJECTS(東京・初台)で開催した個展「新しい愛の体験」では、タイのチェンマイで現地の女性との対話を撮影した映像作品を発表。「愛」をテーマに紡がれる被写体と撮影者のコミュニケーションの記録を、中尾拓哉がレビューする。

上田麗奈と藤ちょこ先生のデジタルペイント講座⑧ 線画編

初心者にもやさしい直感的な操作が可能な多機能・低価格のペイントソフトとして、多くのクリエイターから支持を得ているペイントソフト「openCanvas」。声優の上田麗奈が、同ソフトのメインアートワークを手がけた人気イラストレーター・藤ちょこさんにその魅力を教わる連載です。前回からは写真をベースにした新たなイラストの作画に挑戦している上田。今回は過去の講座の作業を復習しつつ、写真素材をもとに人物を描き起こしていきます。

INSIGHT / PROMOTION

デヴィッド・ボウイのアートコレクション、サザビーズで初公開へ

2016年1月に他界したデヴィッド・ボウイはミュージシャンや俳優としての顔だけでなく、アート・コレクターとしての側面も持っていた。そのコレクションがロンドンのサザビーズで11月、「ボウイ/コレクター」と題したセールで公開される。サザビーズ・ヨーロッパの取締役会長オリバー・バーカーは同セールについて「多彩で、自由で、飾り気がない。デヴィッド・ボウイのコレクションは、20世紀最大の創造的精神の持ち主の一人の個人的な世界観を垣間見ることができるまたとない機会」とコメントしている。

NEWS / MARKET

第11回

【今月の1冊】「参加型」を考える、クレア・ビショップの話題作

『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本の中から注目したい作品をピックアップ。毎月、図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を紹介。2016年8月号では、近年興隆を見せる「参加型アート」の意義を再考する、クレア・ビショップの著書『人工地獄 現代アートと観客の政治学』を取り上げた。

あいちトリエンナーレ2016開幕レポート!【岡崎・豊橋編】

今年で3回目を迎える「あいちトリエンナーレ2016」がついに開幕。今年はテーマに「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」を掲げ、38の国と地域から119組のアーティストが参加。名古屋、豊橋、岡崎の街なかに作品が展開されている。注目の作品を名古屋編と岡崎・豊橋編の2回に分けてレポートする。

INSIGHT

あいちトリエンナーレ2016開幕レポート!【名古屋編】

今年で3回目を迎える「あいちトリエンナーレ2016」が、いよいよ8月11日に開幕する。今年はテーマに「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」を掲げ、38の国と地域から119組のアーティストが参加。名古屋、豊橋、岡崎の街なかに作品が展開されている。注目の作品を名古屋編と岡崎・豊橋編の2回に分けてレポートする。

INSIGHT

第96回

象徴としてのパン、美術という異物。 椹木野衣が見た、折元立身展

顔一面にフランスパンをくくり付けた「パン人間」の姿で世界各地を旅し、現地の人々と交流したパフォーマンス作品、アルツハイマー症の母の介護を作品とした「アート・ママ」シリーズなど、様々な人々、さらには動物たちとのコミュニケーションを題材に、40年以上にわたってユニークな作品を発表してきた折元立身。今年4〜7月、川崎市市民ミュージアム(神奈川)で開催された「生きるアート 折本立身」展を、椹木野衣がレビューする。

REVIEW

アートを堪能する海辺のリゾート「タラサ志摩ホテル&リゾート」

美しい自然に囲まれた伊勢志摩の海辺に位置する「タラサ志摩 ホテル&リゾート」は、滞在しながらアートをじっくり堪能できるリゾートホテルだ。同館の「タラソテラピー(海洋療法)」や近隣の伊勢神宮といった「癒し」とともに、現代美術のコレクションを間近で鑑賞しながら、特別な時間を味わうことができる。

INSIGHT

第7回

櫛野展正連載:アウトサイドの隣人たち ⑦ピン球入魂の道化師

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたキュレーター・櫛野展正。現在はギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちにインタビューし、その内面に迫る連載の第7回は、「へのへのもへじ」に囲まれた卓球場を運営している斎藤善郎さんを紹介する。

上田麗奈と藤ちょこ先生のデジタルペイント講座⑦ パース設定編

初心者にもやさしい直感的な操作が可能な多機能・低価格のペイントソフトとして、多くのクリエイターから支持を得ているペイントソフト「openCanvas」。声優の上田麗奈が、同ソフトのメインアートワークを手がけた人気イラストレーター・藤ちょこさんにその魅力を教わる連載です。デジタルペイント初挑戦ながら、これまでの6回の講座で、驚くべきスピードでソフトの操作を覚え「いもちゃん(のちにコスモちゃん)」というオリジナルキャラクターを描き上げた上田。今回からは、写真をベースにした新たなイラストの作画に挑戦します。

INSIGHT / PROMOTION

第4回

空間で展開される色光。細倉真弓「CYALIUM」展

1979年生まれの細倉眞弓は京都府出身、高校生の頃の「ガーリー写真」ブームをきっかけに写真を始め、国内外で数多くの個展やグループ展に参加している。G/P galleryで開催した個展「CYALIUM」のタイトルは、化学発光による照明器具「CYALUME(サイリューム)」に金属元素の語尾「IUM」を加えた造語である。写真現像の暗室から着想を得た作品を発表した本展を、中尾拓哉がレビューする。

第3回

「枠」に囚われて脱する、「囚われ、脱獄、囚われ、脱獄」展

アーティストがキュレーションする展覧会「囚われ、脱獄、囚われ、脱獄」展が都内6会場で開催され、総勢31名の作家が参加した。第2回目となる今回は「枠を思考する」を共通テーマとして掲げている。既存の「枠」をアーティストによって再構築することを目指した本展を、中尾拓哉がレビューする。