生と死が近接する海へ
展示冒頭で目を引くのが、吹き抜けの空間を活用して展示された「Dancing with Shadows in the Light」シリーズだ。
蜷川が自ら海に潜って撮影した、初の本格的な水中写真シリーズである。意外にも、ダイビングをしていたから海を撮り始めたのではない。「海の写真を撮ろうと思って、ダイビングのライセンスを取った」のだという。

その理由について蜷川は、海を「生と死が近しい場所」と感じたからだと語る。潜り始めた当初は、呼吸するだけで精一杯だった。だからこそ「いい写真を撮ろう」という意識すら薄れ、そこで感じたことがダイレクトに写真へと写り込んでいった。その感覚にのめり込み、この1年半ほどで約70回も海に潜ったという。
極彩色の作品群とは対照的に、ここに並ぶのは静かなモノクロームの世界だ。しかし、光と闇、生と死といった相反するものをひとつの画面のなかにとらえようとする眼差しは、これまでの蜷川作品とも地続きにある。



















