坂本龍一の創造の精神を次世代へ。京都芸術大学の「Sakamoto Ryuichi Lab at KUA」構想に青木淳、原摩利彦ら参加【3/4ページ】

瓜生山荘を「使い続けるアーカイブ」へ

 ラボの物理的な拠点となるのは、京都芸術大学のキャンパスに隣接する「瓜生山荘」だ。かつて德山詳直同大前理事長の住宅として建てられ、学園の重要な会議や対話の場としても使われてきた建物を改修し、新たな創造拠点として開く。

 建築設計を担当するのは、建築設計事務所「AS」の青木淳と品川雅俊。坂本がニューヨークのスタジオで使用していた機材などを持ち込み、保存のための再現空間ではなく、学生やアーティストが実際に機材を使い、新しい作品を生み出すための場として整備する。ASは青木と品川が共同で率いる建築設計事務所で、青木は京都市京セラ美術館の改修設計にも携わった。

青木淳と品川雅俊

 青木は、建物の完成前からラボの活動を始めるという進め方について、「まず活動が始まっていて、その活動に見合った器として建築があるのが理想」だと語る。「瓜生山荘には独特の雰囲気がある。その雰囲気を引き継ぎつつ、いちばんコアになるラボは、外に向かって開かれていくような場所にできればと思っている」。

 品川は、過去の図面を調査するなかで、瓜生山荘が完成後も繰り返し手を加えられてきた建物であることがわかったという。「完成しておしまいではなく、完成する前から活動が始まり、完成した後も、必要に応じてつねに変わっていけるような場所になればと思う」。

 青木も、「建築は完成したところがスタート。瓜生山荘はすでに生き始めている建築であり、そこに私たちが入り、次の時代のあり方をつくっていく」と話した。