9月に見たい展覧会ベスト19

2026年9月に開幕する展覧会のなかから、とくに注目したいものを編集部がピックアップしてお届けする。

レオナルド・ダ・ヴィンチ《女性の肖像》、誤って付された別称《美しきフェロニエール》(1490〜97頃) パリ、ルーヴル美術館蔵 © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Michel Urtado

「瀧本幹也 LUNATION 朔望 -海から天体を読む」(茅ヶ崎市美術館)

 神奈川県茅ヶ崎市の茅ヶ崎市美術館で「瀧本幹也 LUNATION 朔望―海から天体を読む」が開催される。

展覧会キービジュアル

 瀧本幹也は、1974年愛知県生まれの写真家。98年に瀧本幹也写真事務所を設立した。広告写真やコマーシャルフィルム、映画など幅広い分野の撮影を手がける。映画撮影では是枝裕和監督の『そして父になる』でカンヌ国際映画祭コンペティション審査員賞、『海街diary』で日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した。

 本展は、国内美術館で初の大規模個展となる展覧会だ。会場では、ケネディ宇宙センターのスペースシャトルと地球の営みを対比させた《LAND SPACE》や、多様な海面の表情をとらえた《GRAIN OF LIGHT》、足元の草花や寺院に焦点を当てた《LUMIÈRE》《PRIÈRE》などを紹介する。また、海辺の街にある同館の特性を活かし、新月と満月がもたらす朔望を軸に海の表情と天体の運動、水面に注ぐ微光から人類の生命へと思いを馳せる新作《LUNATION 朔望》も展示する。

会期:2026年9月2日~11月8日
会場:茅ヶ崎市美術館
住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
電話:0467-88-1177
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(9月21日、10月12日は開館)、9月24日、10月13日
観覧料一般 1200円 / 大学生 1000円 / 高校生以下 無料

「第3回コレクション展『像は燃え、像は歪み、そして光に昇華する』同時開催:茶陶と現代陶芸展『時のうつほ』」(UESHIMA MUSEUM)

 東京・渋谷のUESHIMA MUSEUMで、第3回コレクション展「像は燃え、像は歪み、そして光に昇華する」と、茶陶と現代陶芸展「時のうつほ」が同時にスタートする。

第3回コレクション展『像は燃え、像は歪み、そして光に昇華する』B1F展示風景

 UESHIMA MUSEUMは、実業家・植島幹九郎が収集したUESHIMA MUSEUM COLLECTIONを公開する場として2024年に開館。「同時代性」をテーマに、国内外のアーティストによる850点を超える作品を収蔵している。今回の展示刷新では、そのコレクションから作品を選び、異なる視点を持つ2つの展覧会を展開する。

 第3回コレクション展「像は燃え、像は歪み、そして光に昇華する」を手がけるのは、前回の第2回コレクション展に続き2025年3月まで金沢21世紀美術館館長を務めたキュレーターの長谷川祐子。地下1階から5階までの6フロアを使い、「消滅と風景」「都市と痕跡」「反復と像」「肖像と隠蔽」「断片と都市」「光と影──像を手放す場所へ」というテーマのもとで作品を構成する。

いっぽう6階では、茶の湯の伝統と現代美術との交わりに焦点を当てる新たな取り組みの第1弾として、「時のうつほ」を開催。360年以上続く茶陶の名窯・大樋焼の家系に生まれ、建築と陶芸の双方を学びながら制作を続けてきた陶芸家・建築家の奈良祐希がキュレーションを手がける。

会期:2026年9月2日〜
会場:UESHIMA MUSEUM
住所:東京都渋谷区渋谷1丁目21番18号 渋谷教育学園 植島タワー
開館時間:11:00〜17:00 ※入場は閉館の1時間前まで
休館日:月(月曜が祝日の場合は開館、翌平日休館) 
料金:一般1800円 / 高校・中学生500円 / 小学生以下無料

「生誕150年 吉田博展」(MOA美術館)

 静岡県熱海市のMOA美術館で「生誕150年 吉田博展」が開催される。

吉田博《街道と馬》(1908頃)水彩

 吉田博は明治、大正、昭和にかけて活躍した風景画家。自ら実際に体感した国内外の風景を題材とし、水彩画、油彩画、木版画など多彩な技法で作品を手がけた。

 本展では、近年アメリカで発見され日本初公開となる水彩画の大作《街道と馬》(1908頃)をはじめとする水彩画、山岳風景を描いた油彩画、後半生に傾倒した私家版木版画を一堂に紹介。また、作品の現在の風景を独自に取材・撮影した写真パネルとの比較展示を行うほか、高精細で撮影した作品を大画面で投影する。

会期:2026年9月4日~10月20日
会場:MOA美術館
住所:静岡県熱海市桃山町26-2
電話:0557-84-2511
開館時間:09:30~16:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:木(祝休日の場合は開館)
観覧料:一般 2000円 / 高大生 1400円 / 中学生以下 無料

「平子雄一展 HUMAN AND NATURE」(東京ミッドタウン日比谷 ホール)

 東京ミッドタウン日比谷内のイベントスペースが「東京ミッドタウン日比谷 ホール」として9月1日にリニューアルオープンする。そのこけら落としのひとつとして、平子雄一による個展が開催される。

岡山県立美術館「瀬戸芸美術館連携プロジェクト平子雄一展 ORIGIN」(2025)展示風景 © Yuichi Hirako photo by Osamu Sakamoto

 平子雄一は1982年岡山県生まれ。自然と人間の共存関係のなかに浮上する曖昧さや疑問をテーマとして現在は東京を拠点に制作活動を行っている。

 東京ミッドタウン日比谷の屋内外空間の会場では、本展に合わせて制作された新作を中心に、絵画や立体作品、大規模なインスタレーションを展示。日常の都市空間に突如として平子独自の表現を用いた作品群が現れるような構成となる。また、会期中にはトークイベントやワークショップといった企画も実施される予定だ。

会期:2026年9月5日〜10月18日(展覧会)、2026年9月4日〜9月26日(屋外インスタレーション)
会場:東京ミッドタウン日比谷
住所:東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 

「共時的星叢──時を共にした星たち 越境する芸術のまなざし」(東京都現代美術館)

東京・清澄白河の東京都現代美術館で、「共時的星叢(せいそう)──時を共にした星たち 越境する芸術のまなざし」が開催される。

 本展は、日本統治下の台湾にシュルレアリスムを導入しようと試みた詩人たちの営みを追った映画『日曜日の散歩者』(2015)の監督である黄亜歴(ホアン・ヤーリー)をゲストキュレーターに迎えて企画された。同作をめぐる思索や編集手法を展示空間へと展開し、台湾近代美術の作品約200点、関連資料約600点に、日本の作品約100点を交えた大規模な展示構成となる。

 会場の空間設計を手がけるのは、台湾を拠点に活動する建築家ユニット「UxU Studio(ユーバイユー スタジオ)」。彼らは「日常のなかの非日常」をコンセプトに多様なプロジェクトを展開しており、本展では反射する素材を用いた構造を採用している。ここに黄亜歴のディレクションによる映像が加わることで、展示室全体が場全体を巻き込むひとつのインスタレーションとして機能することが目指される。

会期:2026年9月5日〜12月13日
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/3F
住所:東京都江東区三好4-1-1
開館時間:10:00〜18:00 ※展示室入場は閉館の30分前まで 
休館日:月(9月21日、10月12日、11月23日は開館)、9月24日、10月13日、11月24日 
料金:一般2000円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上1400円 / 中高生800円 / 小学生以下無料

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