京都を拠点に、「アンビエント」をテーマとして音、アート、空間の関係を探ってきた「AMBIENT KYOTO」が、東京で初めて開催される。「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO」と題された今回の舞台は、東京・虎ノ門の麻布台ヒルズギャラリー。会期は10月25日まで。
2022年に始まった「AMBIENT KYOTO」は、初回にアンビエント・ミュージックの先駆者ブライアン・イーノを取り上げ、23年には京都新聞ビル地下の旧印刷工場をはじめとする複数会場を舞台に展開。坂本龍一+高谷史郎のほか、コーネリアス、バッファロー・ドーター、山本精一らが、音、映像、光、そして建築空間を組み合わせた作品を発表した。
東京初開催となる今回は、23年の京都展で大きな反響を呼んだ坂本龍一+高谷史郎の《async - immersion》(2023)に焦点を絞った単独展示となる。
26.4メートルのスクリーンと立体音響
展示空間で大きな存在感を放つのが、横幅26.4メートルに及ぶスクリーンだ。23年の京都展と同等のスケールで《async - immersion》が展示されるのは今回が初めて。音響についても、坂本の晩年の作品を数多く手がけてきた音響ディレクターのZAKが、麻布台ヒルズギャラリーの空間に合わせて再構築した。

《async - immersion》の出発点となったのは、坂本が2017年に発表したアルバム『async』だ。『async』は、坂本がそれまでの楽曲制作とは異なる方法を模索するなかで生まれた作品であり、その制作過程では「設置音楽(Installed Music)」という考えが重要な位置を占めていた。音楽を時間軸に沿ってただ再生するのではなく、「音」を空間のなかに立体的に配置し、鑑賞者自身がその内部に身を置く。その構想をインスタレーションへと展開したひとつの到達点が《async - immersion》だ。
一般的なコンサートであれば、観客はステージに向かって座り、正面から音を受け取る。しかしこの作品では、鑑賞者自身が音響空間の一部に入り込むような感覚となる。会場のどこに座り、どの方向を見るのか。それによって、映像と音との関係の感じ方も変わってくる。音楽を「聴く」のではなく、文字通りその内部に身を置くこと。この作品における「immersion」という言葉は、たんなる巨大映像による没入感だけを意味してはいない。
























