文化庁が令和9年度の概算要求を発表した。要求・要望額は2335億円(デジタル庁一括計上分を含む)で、前年度予算の1073億円から1263億円、117.7パーセント増となった。うち「強く豊かな日本」投資枠は890億円。国立劇場再整備については、このほか事項要求としている。
「クリエイター等育成支援」に649億円
今回、金額面で大きな比重を占めるのが、新規の「クリエイター等育成支援」649億円だ。このうち608億円を「『挑戦』を通した人材育成・創造基盤改革」に計上。2033年までにコンテンツの海外売上20兆円という政府目標を掲げ、マンガ、アニメ、ゲーム、実写、音楽などを対象に、企画・製作から海外発信、国内還元までを一貫して支援する。クリエイターらへの支援だけでなく、統括団体や文化団体・施設の基盤強化にも予算を充てる。
国立文化施設では、「機能強化・整備」に573億円を要求し、前年度の334億円から大幅に増額。独立行政法人国立科学博物館には、「特別展等自主開催に向けた展示運営体制の構築」に1億2200万円を新規計上する。また独立行政法人国立美術館では、「メディア芸術ナショナルセンター(仮称)」の拠点整備に向けた機能強化には3億1500万円を計上。前年度の1億2900万円から増額となる。
なおメディア芸術については、「メディア芸術の創造・発信プラン」に10億4200万円(「強く豊かな日本」投資枠は4億6600万円)を計上。若手クリエイターの創作・発表支援に加え、マンガ、アニメ・特撮、ゲームなどの作品や制作過程で生まれる資料の収集・保存・活用に向けたネットワーク構築など、「メディア芸術ナショナルセンター(仮称)」構想の実現に向けた取り組みを進める。
現代美術関連では、「我が国アートのグローバル展開推進事業」に前年度と同額の1億3700万円を要求。海外アートフェアへの出展や、国内外での国際発信力のある企画展などを支援し、令和9年度は26件の実施を見込む。また「世界から人を惹きつけるグローバル拠点形成の推進」では、国際的なアートフェアと連携した国内の新たなアートプラットフォーム実現に3億円、国際的なイベントを活用したグローバル発信拠点形成に1億9000万円を計上する。
アート市場の基盤整備を目的とする「アートエコシステム基盤形成促進事業」は6100万円で前年度と同額。美術品の価格評価の透明性・客観性を高めるための取引データ基盤の整備や、国内外の美術品市場に関する調査などを進める。
文化財関連では、「『文化財の匠プロジェクト』等の充実・推進による文化資源の保存・活用」に936億円を要求し、前年度の574億円から大きく増額。国宝・重要文化財建造物保存修理強化対策事業には195億円、重要文化財等防災施設整備事業には107億円を計上している。





















