風間の思索をめぐるインスタレーション「方丈ルーム」も登場
本展のもうひとつの見どころが、会場内に設置された部屋型インスタレーション「方丈ルーム」だ。

およそ四畳半の囲いのなかには、古本や古雑誌、古絵葉書など、風間のアトリエから運び込まれた資料の一部が並ぶ。過去・現在・未来、時空を超えて世界を見通す風間のありとあらゆる作品が、この小さな空間と膨大なリサーチから生み出されていることが体感できる。


風間作品の題材となるのは社会の違和感や不都合な事実が多いが、画面にはつねに特有のコミカルさが漂う。その理由について風間は「基本的に制作の起点となるのはネガティブな感情。しかしその事象に対してアクションする人間の行為は滑稽だ。それを描き起こすことで、笑ってもらえたら嬉しい」と語った。
1990年代の初期作から代表的な大型木版画、そして弘前の地で結実した新作の油彩画まで。社会への怒りや違和感を起点にする一貫したスタンスを感じさせると同時に、油彩画への挑戦という新たな新境地を目の当たりにできる構成だ。ざらつきのあるコールタールの壁面と、風間の木版画の力強い手跡が共鳴する空間を、ぜひ現地で体感してほしい。



















