今週末に見たい展覧会ベスト9。風間サチコから椿昇、小村雪岱にユージン・スミスまで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

風間サチコ ディスリンピック2680 2018 作家蔵(A.P.) Photo by Kei Miyajima

今週閉幕

「生誕100年 昭和を生きた画家 牧野邦夫 -その魂の召喚-」(茅ヶ崎市美術館

 神奈川県茅ヶ崎市の茅ヶ崎市美術館で「生誕100年 昭和を生きた画家 牧野邦夫 -その魂の召喚-」が6月7日まで開催されている。会場レポートはこちら

「第3章:想いのままに -完成期・昭和50年代-」の展示風景。手前は《海と戦さ(平家物語より)》(1975)

 牧野邦夫(1925〜86)は、1943年に東京美術学校油画科に入学し、伊原宇三郎、安井曾太郎の指導を受けた。45年の応召を経て翌年に復学し、48年に同校を卒業した後は、特定の絵画団体に所属せず個展を中心に作品を発表し続けた。

 本展は、牧野の生誕100年を記念した展覧会だ。特定の画壇に属さず、個人コレクターに秘蔵されてきた作品群により、その画業を振り返るとともに、モダニズムに関わらず描き続けた牧野の作品の意義を、現代に問いかける展示を紹介している。

会期:2026年3月31日〜6月7日
会場:茅ヶ崎市美術館
住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
開場時間:10:00〜17:00 ※入館は16:30まで
料金:一般 1200円 / 大学生 1000円 / 市内在住65歳以上 600円 / 高校生以下無料

「W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代」(東京都写真美術館

 東京都写真美術館の「W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代」は6月7日まで。

W. ユージン・スミス 無題(水俣湾での漁猟)「水俣」より 1972 東京都写真美術館蔵 ©Aileen Mioko Smith

 本展は、20世紀を代表する写真家として知られるW. ユージン・スミス(1918〜1978)の活動のなかでも、1950年代半ば以降のニューヨーク滞在期、いわゆる「ロフトの時代」に焦点を当て、日本で初めて体系的に紹介するもの。

 合わせて、10年以上に及ぶロフトでの制作を経てジャーナリズムへと回帰したスミスが自ら企画・構成した回顧展「Let Truth Be The Prejudice」(1971、ジューイッシュ・ミュージアム、ニューヨーク)に関連する作品や、晩年に取り組んだ「水俣」シリーズも紹介している。

会期:2026年3月17日~6月7日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(木金〜20:00)※入館は閉館30分前まで
観覧料:一般 700円 / 学生 560円 / 高校生、65歳以上 350円 / 中学生以下無料 

「北斎VS 福⽥美蘭 ⼩布施へのメッセージ」(北斎館

 北斎館で、北斎館50周年記念特別展「北斎VS 福⽥美蘭 ⼩布施へのメッセージ」が6月7日まで開催される。

 福田美蘭は1963年東京都生まれのアーティスト。87年、東京芸術大学大学院美術研究科を修了した。89年安井賞、94年VOCA賞、2013年芸術選奨文部科学大臣賞などを受賞。現代における美術に対して洞察の目を向ける作品を制作している。

 本展では、現代アーティストの福田美蘭が北斎館の所蔵作品をモチーフに制作した新作を公開する。「冨嶽三十六景」シリーズをはじめ、北斎が小布施町で描いた晩年の「上町祭屋台天井絵男浪・女浪」、岩松院天井絵鳳凰図などを題材とした作品を展示。福田美蘭独自の解釈と表現による北斎アート作品を紹介している。

会期:2026年4月11日~6月7日
会場:北斎館
住所:長野県上高井郡小布施町大字小布施485
電話:026-247-5206
開館時間:9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:大人 1500円 / 高校生・大学生 700円 / 小中学生 500円

「密やかな美 小村雪岱のすべて」(千葉市美術館

 千葉市美術館で、企画展「密やかな美 小村雪岱のすべて」が6月7日まで開催されている。

小村雪岱《青柳》(1924頃) 埼玉県立近代美術館蔵 前期展示

 小村雪岱(1887〜1940)は、大正から昭和初期にかけて日本画や書籍の装幀、挿絵や舞台装置、映画の美術考証など、幅広いジャンルで活躍した。装幀では泉鏡花との共作、挿絵では邦枝完二らと組んだ『おせん』や『お傳』、舞台装置では「一本刀土俵入」などの仕事を手がけた。

 本展は、小村雪岱の全貌に迫る過去最大規模の展覧会となる。埼玉県立近代美術館や個人コレクションから代表作を集め、雪岱の画業を「人」とのつながりから再考。文学者や松岡映丘・鏑木清方ら日本画家、出版人、舞台人たちとの交流と協働に光を当て、雪岱の作品世界がいかに生み出されたかを展示する。

会期:2026年4月11日~6月7日
会場:千葉市美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
電話:043-221-2311
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)※入場受付は閉館30分前まで
休館日:月(5月4日は開館)、5月7日
観覧料:一般 1500円 / 大学生 1000円 / 小学・中学・高校生 無料

「手にとって愛でる日本の美術」(千葉市美術館

 千葉市美術館で「手にとって愛でる日本の美術」が開催されている。本展は「密やかな美 小村雪岱のすべて」の同時開催展として、千葉市美術館の近世・近代コレクションの中から約50点を展示。今回の展示は、3つのセクションから構成される。

西川祐信《四季風俗図巻》(1716-36頃)千葉市美術館蔵

 「手元で眺め、楽しむ」では、日本古来の絵画形式である絵巻や画帖を紹介。「暮らしを彩る」では、生活の道具であり美術品でもあった扇や団扇絵、女性たちが身につけた櫛・簪などを展示する。「ちいさいだけで、うれしい」では、豆本や江戸後期の銅版画など、特に小さく作られた作品を展覧。制作された時代や用途が様々な、小さいものを手にとりその細緻を喜ぶ心と職人の技術が感じられる品々を紹介してる。

会期:2026年4月11日~6月7日
会場:千葉市美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
電話:043-221-2311
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)
観覧料:一般 500円 / 大学生 400円 / 小・中学生、高校生 無料

「愛でたい美術 ―絵画とやきものに見る幸せのかたち―」(岡田美術館

 岡田美術館で、特別展「愛でたい美術 ―絵画とやきものに見る幸せのかたち―」が6月7日まで開催されている。

メインビジュアル

 本展では、古来より幸せへの願いを込めて美術作品に表されてきた多様なめでたいモチーフに注目。延命長寿、子孫繁栄、家内安全などの願いを象徴するモチーフは単独でもちいられるだけでなく、複数を組みあわせることで複合的な意味を帯びる場合がある。今回の展示では、そのような吉祥の主題を愛らしく表した絵画とやきものを紹介する。

会期:2025年12月14日~2026年6月7日
会場:岡田美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
電話:0460-87-3931
開館時間:9:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:12月31日、1月1日
観覧料:一般・大学生 2800円 / 小中高生 1800円

編集部