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「渡辺志桜里 宿/Syuku」(資生堂ギャラリー)開幕レポート。循環で探る土地と民族のアイデンティティの在り処

外来種や絶滅種といった人間と自然とのあいだに生じる問題を焦点にするアーティスト・渡辺志桜里の個展「渡辺志桜里 宿/Syuku」が、東京・銀座の資生堂ギャラリーで開幕。会期は12月26日まで。

文・撮影=安原真広(ウェブ版「美術手帖」副編集長)

展示風景より、《Sans room》(2017〜)

 外来種や絶滅種といった人間と自然とのあいだに生じる問題を焦点に、人間と環境、そして人間同士の関係性を問うアーティスト・渡辺志桜里の個展「渡辺志桜里 宿/Syuku」が、東京・銀座の資生堂ギャラリーで開幕した。会期は12月26日まで。

展示風景より、《Sans room》(2017〜)

 渡辺は1984年東京生まれ。2008年中央大学文学部仏文学専攻卒業、15年東京藝術大学美術学部彫刻科、17年同大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。おもな展示に「非≠人間と物質」 / Non Not equal Between man and matter」(3331 Arts Chiyoda、2021)、「ベベ」(WHITEHOUSE、2021)、「とうとうたらりたらりらたらり あがりららりとう」(新宿歌舞伎町能舞台、2022)、「BLUE」(SACS、2024)など。

会場のエントランス

 本展で渡辺は水槽やプランターなどをホースでつなぎ、水やバクテリアを循環させて自律した生態系を構築する代表作《Sans room》(2017〜)を中心に、連関するような作品を展示している。本展の《Sans room》は過去最大規模の規模となっており、ギャラリー全体に張り巡らされたホースと水槽によってつくりだされている循環は圧巻だ。まずはその概要を紹介したい。

展示風景より、《Sans room》(2017〜)

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