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マックスマーラの服飾工場が美術館に。イタリアのコレツィオーネ・マラモッティが示す「進行形のコレクション」

イタリア、レッジョ・エミリアの旧マックスマーラ工場を改修した「コレツィオーネ・マラモッティ」では、戦後から現代に至る約200点の作品が常設展示。さらにここでは、過去の作品を保存するだけでなく、新たなコミッションや企画展を継続的に取り込んでいることも特徴だ。本稿では、建築、コレクション、そして現在開催中の企画展を取り上げながら、同館の特徴を紹介する。※5月29日24時まで、すべての方に全文お読みいただけます。

取材・文=王崇橋(編集部)

コレツィオーネ・マラモッティの外観(北口) Photo by Claudia Marini. Courtesy of Collezione Maramotti, Reggio Emilia

元工場を転用した現代美術館

 イタリア北部、エミリア=ロマーニャ州レッジョ・エミリアに位置する「コレツィオーネ・マラモッティ(Collezione Maramotti)」は、ファッションブランド・マックスマーラの創業者アキーレ・マラモッティ(1927〜2005)が築いた、現代美術コレクションを公開する美術館だ。2007年に一般公開され、現在は戦後から現代に至る作品群を常設展示するほか、国際的なアーティストによる企画展やコミッション・プロジェクトも継続的に行っている。

 コレツィオーネ・マラモッティの建物は、1957年に建設されたマックスマーラ最初期の工場を改修したものだ。設計を手がけたのは、レッジョ・エミリア出身の建築家アントニオ・パストリーニとエウジェニオ・サルヴァラーニ。自然光や自然換気を積極的に取り入れた開放的な構造や、用途変更に対応可能な空間設計は、当時としては先進的な試みだった。

エントランス(東口) Photo by Bruno Cattani. Courtesy of Collezione Maramotti, Reggio Emilia

 2003年、マックスマーラの本社機能の移転に伴い、この旧工場は美術館へ転換された。改修を担当したイギリス人建築家のアンドリュー・ハップグッドは、建物の工業的性格を大きく変更することなく、コンクリート柱やガラスファサードなど既存の構造を残しながら展示空間として再構成した。

アンゼルム・キーファー《Buch (The Secret Life of Plants) 》(2002)の展示風景 Photo by Bruno Cattani. Courtesy of Collezione Maramotti, Reggio Emilia

 実際に館内を歩くと、ここが「元工場」であったことを自然に意識させられる。天井高のあるオープンスペース、大きく取られた窓面、露出したコンクリート構造。そうした要素が、ホワイトキューブとは異なる独特の空間感覚を生み出している。展示動線の中心には、イタリアのアーティスト、クラウディオ・パルミジャーニによるインスタレーション《Caspar David Friedrich》(1989)が置かれ、鑑賞者は展示を巡りながら何度かこの吹き抜け空間へ戻ってくることになる。

クラウディオ・パルミジャーニ《Caspar David Friedrich》(1989)の展示風景 © Claudio Parmiggiani Photo by Dario Lasagni. Courtesy of Collezione Maramotti, Reggio Emilia

 なお、常設コレクションの鑑賞は予約制となっており、木曜から日曜まで週4日開館。見学はガイドツアー形式で行われ、私設コレクションでありながら入館料が無料である点も、この施設の特徴のひとつと言えるだろう。

編集部