大阪市内を巡りながらアートやデザインを楽しむ周遊型エリアイベント「Osaka Art & Design 2026」が開幕した。会期は6月23日まで。
第4回目の開催となる今年のテーマは「Infinitize ~ソウゾウを解き放つ~」。パブリックアートや施設内のオープンスペースでの展示など約60ヶ所を舞台に作品やプロジェクトが展開され、気鋭のクリエイターらによる個性豊かな表現の数々に出会うことができるものとなる。エリアごとにいくつかピックアップして紹介したい。
都市を行き交う人々にアートやデザインは何を示すのか
梅田・中之島・淀屋橋エリア
本イベントでもっとも作品が集中しているのが梅田エリアだ。百貨店が密集するこのエリアでは、各館の様々なスペースを活用した展示が見どころであり、日常の動線のなかで通行人や利用客が自然とアートに触れられる構成となっている。


阪急うめだ本店1階コンコースウィンドーでは、平子雄一(1982〜)によるポップな世界観が一面に広がる。「人工的な都市空間において、いかに自然を意識することができるか」という問いをテーマに掲げたインスタレーション作品だ。高層ビルが立ち並ぶうめきたエリアで、自然と人間の関係を問いかける。
さらに9階の祝祭広場には、およそ4.5メートルにも及ぶキャラクターのオブジェがそびえ立つ。自然と人間が融合したようなその姿は、可愛らしい佇まいのなかに、現代社会への確かな問いを孕んでいる。

JR大阪駅と大阪ステーションシティをつなぐ「時空(とき)の広場」には、絵本の世界をテーマとした公園のような空間が広がる。動物たちの彫刻やインタラクティブな遊具などが設置され、都市のサードプレイスらしい憩いの場を創出している。

大丸梅田店7階の特設会場では、光の情景画家・笹倉鉄平(1954〜)の画業35周年を記念した個展が開催中(~6月15日)。油彩やデッサンなど約80点が一堂に会している。パリの印象派に影響を受けたという笹倉は、かつて森永製菓のパッケージイラストを10年間手がけてきたという経歴を持っており、その確かな描写力も堪能できる。

JR大阪駅北側のグラングリーン大阪には、ヤノベケンジ(1965〜)の「SHIP’S CAT」シリーズが出現。現在、大阪中之島美術館で開催中の大規模展「驚異の部屋の私たち、消滅せよ。 — 森村泰昌・ヤノベケンジ・やなぎみわ —」(~7月20日)とあわせてチェックしたい。

淀屋橋駅直結の「淀屋橋ステーションワン」には、大竹舞人によるパブリックアート《編む、つなぐ、ひらく》が設置された。手で編み上げられた中空の作品は、都市や地下鉄を行き交う人々の流れと呼応し、時間や記憶、文化を未来へとつないでいく象徴として示されている。


クリエイティブユニット・grafが運営する「graf porch」では、オランダ人デザイナー、サンダー・ワッシンク(1984〜)による「V-series ARCHIVE」を展示。共通のアルミパーツと各地の素材を組み合わせたこの椅子のシリーズを通じて、インテリアの新たな可能性を提示している。

なお、徒歩圏内の国立国際美術館では、画家・中西夏之(1935〜2016)の回顧展「中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」(〜6月14日)も開催されている。こちらも必見だ。






































