ゴールデンウィークに見るべき42の展覧会【3/6ページ】

関東

「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち」(宇都宮美術館

 栃木県宇都宮市の宇都宮美術館で「宇都宮美術館開館30周年・市制施行130周年記念 ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵」が6月21日まで開催されている。会期は6月21日まで。

 19世紀後半のフランスで、美術界を占拠していたアカデミズムに反旗を翻し、変化する社会や新しい生活様式に刺激を受けて、革新的な絵画表現を生んだ「印象派」。印象派は成立当初は厳しい批評や嘲笑の的となったが、柔らかな色彩や親しみやすい主題によって、現在では国内外の多くの人々に愛されている。

フィンセント・ファン・ゴッホ《跳ね橋》(1888) ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団蔵 Vincent van Gogh, The Drawbridge, 1888, Oil on canvas, Wallraf-Richartz-Museum & Fondation Corboud, Cologne, Photo: ©RBA, Cologne

 本展では、印象派を代表するモネ、ルノワール、セザンヌ、ピサロをはじめ、彼らに影響を与えたミレー、コローらバルビゾン派の画家たち、さらには新印象主義のもっとも重要な画家のひとりであるシニャックなど、印象派をめぐる42名の画家たちの作品70点を展示。ドイツ有数の美術館、ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団のコレクションからなる、印象派に紐づくフランス近代美術の名品の数々を紹介する。

会期:2026年4月19日~6月21日
会場:宇都宮美術館
住所:栃木県宇都宮市長岡町1077
電話:028-643-0100
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(5月4日は開館)、4月30日、5月7日
観覧料:一般 1200円 / 大学・高校生 1000円 / 中学・小学生 無料

「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」(国立新美術館

 東京・六本木の国立新美術館で「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」が開催されている。会期は5月11日まで。展覧会レポートはこちら

 本展は、イギリスを代表する美術館である「テート美術館」のコレクションを中心に、1990年代の英国美術の革新的な創作の軌跡を多角的に紹介するもの。約60名の作家による約100作品を通して、この時代のクリエイティブな熱狂がいかに世界のアートシーンに決定的な影響を与えたのかを検証する。 タイトルにあるYBAとは、「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」を指す言葉。本展は、テート美術館が自ら編んだ、YBAと90年代英国アートの決定版となる。

コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ》(1991)

 世界最大級の近現代美術コレクションを誇るテート美術館の所蔵作品から、約60名の作家によるおよそ100点の作品を通じて、90年代の英国美術の革新的な創作の軌跡を検証する。参加作家は、ダミアン・ハースト、ジュリアン・オピー、ルベイナ・ヒミド、スティーヴ・マックイーン、トレイシー・エミン、ヴォルフガング・ティルマンスなどそうそうたるラインナップとなっている。

会期:2026年2月11日~5月11日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(会期中の金土は〜20:00)※入場は閉館30分前まで
休館日:火(ただし5月5日は開館)
観覧料:一般 2300円 / 大学生 1500円 / 高校生 900円 / 中学生以下無料

「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」(東京都現代美術館

 東京・清澄白河の東京都現代美術館で「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」が7月26日まで開催されている。開幕レポートはこちら

 アメリカを代表する絵本作家エリック・カール(1929〜2021)は、ページごとに紙のサイズが変わり、あおむしの食べた跡が穴で表現されている絵本『はらぺこあおむし』で知られる。幼年時代の思い出にもとづく色鮮やかで光あふれる原画と、グラフィックデザイナーとしての経験によるブックデザインの技術を融合させた作品を数多く生み出した。

『はらぺこあおむし』1987年版 表紙(1987)エリック・カール絵本美術館

 本展は『はらぺこあおむし』日本語版50周年を記念して、エリック・カール絵本美術館とともに開催される。『はらぺこあおむし』や『パパ、お月さまとって!』、『10このちいさなおもちゃのあひる』など27冊の絵本の原画にあわせ、構想段階で作られるダミーブック、コラージュに使用する素材など約180点を展示。絵本を形に落とし込むブックデザインの技術に注目し、エリック・カールのデザイナーとしての側面を紹介する。

会期:2026年4月25日~7月26日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話:03-5245-4111
開館時間:10:00~18:00※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、5月7日、7月21日(5月4日と7月20日は開館)
観覧料:一般 2300円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 1600円 / 中高生 1000円 / 小学生以下 無料

「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」(東京オペラシティ アートギャラリー

 東京オペラシティ アートギャラリーで「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」が開催されている。会期は6月24日まで。

 シュルレアリスム(超現実主義)とは、理性によって分断された世界を乗り越え、新しい現実を求めようとする芸術運動だ。1924年にアンドレ・ブルトンが定義づけ、無意識や夢に着目したフロイトの精神分析学に影響を受けた文学運動として発生。

ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》(1957) 大阪中之島美術館

 シュルレアリスムは芸術の内部にとどまることなく、雑誌や広告、ファッション、室内デザインといった日常に密接した場面にも広がり、社会全体に影響をもたらした。本展では国内に所蔵されている多様なジャンルの優品を一堂に集め、社会全体へと拡大したシュルレアリスム像を展示する。

会期:[前期]2026年4月16日~5月17日、[後期]2026年5月19日~6月24日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:11:00~19:00 ※入場は閉館30分前まで
休館日:月(5月4日は開館)、5月7日
観覧料:一般 1800円 / 大学・高校生 1100円 / 中学生以下 無料

「ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界」(サントリー美術館

 東京・六本木のサントリー美術館で「ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界」が6月21日まで開催されている。

 河鍋暁斎(1831〜89)は数え2歳のときに家族とともに江戸に移り住み、7歳の頃から浮世絵師・歌川国芳に手ほどきを受ける。その後、駿河台狩野派の前村洞和・狩野洞白陳信のもとで修業を積み、19歳の時に洞郁陳之の号を授かった。安政4年に絵師として独立すると「狂斎」を名乗り始め、肉筆画、浮世絵版画を数多く制作した。

河鍋暁斎《地獄太夫と一休》(明治4-22年、1871-89) イスラエル・ゴールドマン・コレクション Photo: Ken Adlard

 本展では、イギリス在住のイスラエル・ゴールドマンの所蔵作品より、コレクションを代表する名品や、日本初出品の貴重な肉筆画、版画など約110件を展示する。狩野派の訓練で培った技量と諧謔精神を組みあわせた独自の画風による、神仏画から妖怪画、動物画、風俗画、戯画にいたるまでの多岐にわたる作品を紹介。また、明治3年に投獄され、放免の翌年に号を「暁斎」と改めて以降の全盛期の画業や、エミール・ギメ、ジョサイア・コンドルら欧米人との交流についても注目する。

会期:2026年4月22日~6月21日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階 サントリー美術館
電話:03-3479-8600
開館時間:10:00~18:00(金・5月2日~5月5日・6月20日は〜20:00)※入館は閉館30分前まで
休館日:火(ただし5月5日は20:00まで開館)
観覧料:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生 1000円

「大江戸礼賛」(東京都江戸東京博物館

 東京・両国の東京都江戸東京博物館で、江戸東京博物館リニューアル記念特別展「大江戸礼賛」が5月24日まで開催されている。

 2022年から休館していた東京都江戸東京博物館が、約4年ぶりにリニューアルオープンした。再開館後初の特別展となる本展は、出品作品約160件のすべてを当館の所蔵品で構成。選りすぐりの逸品と初出品資料を軸に、都市「大江戸」の魅力に迫る。

東京都江戸東京博物館外観

 18世紀初頭に人口100万人を擁する大都市となった江戸では、商人や職人ら町人の手により多彩な娯楽や文化が花開いた。「二時の相撲、三場の演劇、五街の妓楼」といわれた相撲・歌舞伎・吉原は賑わいをみせ、浮世絵などの出版物はその熱気を広めた。また、火消の活躍や、趣味・学問を介した文化人たちの交流による文学や芸術作品の創出にも注目する。

 いっぽう、18世紀初頭に人口100万人を擁する大都市となった江戸では、商人や職人ら町人の手により多彩な娯楽や文化が花開いた。「二時の相撲、三場の演劇、五街の妓楼」といわれた相撲・歌舞伎・吉原は賑わいをみせ、浮世絵などの出版物はその熱気を広めた。また、火消の活躍や、趣味・学問を介した文化人たちの交流による文学や芸術作品の創出にも注目する。

 会場では、東洲斎写楽《市川鰕蔵の竹村定之進》や葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》などの浮世絵から、明珍派の甲冑、武家火消・町火消の装束、収蔵後初披露となる資料・作品を展示する。

会期:2026年4月25日~5月24日
会場:東京都江戸東京博物館
住所:東京都墨田区横網1-4-1
電話:03-3626-9974
開館時間:9:30~17:30(土〜19:30)※入館は閉館30分前まで
休館日:月、5月7日(ただし5月4日は開館)
観覧料:一般 1300円 / 大学生・専門学校生 1040円 / 65歳以上 650円 / 高校生以下 無料

「田中信太郎──意味から遠く離れて」(世田谷美術館

 東京・世田谷の世田谷美術館で「田中信太郎――意味から遠く離れて」が開催される。

 田中信太郎(1940〜2019)は、日立市から上京後、ネオ・ダダの活動に参加した。その後、ハートの形やネオン管を使用したシンプルな形態の作品を発表し、注目される。制作者の感情から離れたところで表現を成立させることを試み、パリ青年ビエンナーレやヴェネチア・ビエンナーレなど数々の海外展にも参加した。アトリエを世田谷から日立へ移し内省的な制作環境に身を置いた後、1985年に再び作風を変えて復帰。作品は色彩豊かになり、平面と立体を組み合わせた複合的な姿をとるようになった。

田中信太郎《風景は垂直にやってくる》(1985) 日立市郷土博物館 撮影=田村融市郎

 本展では、アトリエに遺された作品を中心に、書き留めた言葉とともに田中信太郎の活動を紹介する。同じことを繰り返さず、新たな作品の在り方を提示し続けた田中の、視ることを基点とした美術の本質の探究に注目する。

会期:2026年4月25日~6月28日
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
電話:03-3415-6011
開館時間:10:00~18:00※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、5月7日(ただし5月4日は開館)
観覧料:一般 1400円 / 65歳以上 1200円 / 大高生 800円 / 中小生 500円 / 未就学児 無料

「アンドリュー・ワイエス展」(東京都美術館)

 東京・上野の東京都美術館で、都美術館開館100周年記念「アンドリュー・ワイエス展」が開催される。会期は4月28日~7月5日。

 アンドリュー・ワイエス(1917~2009)は、アメリカ合衆国のペンシルヴェニア州チャッズ・フォード生まれ。ワイエスは、父ニューウェル・コンヴァース・ワイエスの手ほどきを受けて画家の道へ進んだ。生涯にわたり故郷のペンシルヴェニア州と夏を過ごしたメイン州を拠点に身近な世界を精緻に描き続け、2007年にはアメリカ合衆国の芸術勲章を授与された。同時代の前衛的な芸術からは距離を置き、アメリカの土地や歴史、人々の姿を描き出した国民的画家として知られる。

アンドリュー・ワイエス《クリスティーナ・オルソン》(1947)パネルにテンペラ 83.8×63.5cm マイロン・クニン・コレクション、ミネアポリス Myron Kunin Collection of American Art, Minneapolis, MN photo: Curtis Galleries, Inc. ©2026 Wyeth Foundation for American Art / ARS, New York/ JASPAR

 本展では、ワイエスの作品に数多く描かれる窓やドアなどの境界を示すモティーフに着目し、その表現を紹介する。眼前にある情景の再現描写にとどまらず、作家自身の精神世界が反映された作品群を展示。ワイエス没後、日本国内では初めての展覧会として、私的な世界とのつながりや境目として機能する境界の表現に注目する。

会期:2026年4月28日~7月5日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話:03-3823-6921
開館時間:9:30~17:30(金~20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、5月7日(ただし5月4日、6月29日は開室)
観覧料:一般 2300円 / 大学・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1600円 / 18歳以下・高校生以下 無料

「ロン・ミュエク」(森美術館

 オーストラリア出身の現代美術家、ロン・ミュエク(1958〜)。その大規模個展が森美術館で開幕する。会期は4月29日〜9月23日まで。

 ロン・ミュエクはオーストラリア・メルボルンに生まれ、革新的な素材や技法、表現方法を用いて具象彫刻の可能性を押し広げてきた人物だ。1986年よりイギリスに在住し、映画・広告業界で20年以上のキャリアを積んだ後、90年代半ばに彫刻の制作を開始。97年、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツでの「センセーション:サーチ・コレクションのヤング・ブリティッシュ・アーティスト」展に出品した《死んだ父》(1996-97)が注目を集め、一躍国際的な評価を得た。以来、ミュエクは世界各地の名だたる美術館で作品を発表しており、日本では十和田市現代美術館に《スタンディング・ウーマン》(2007)が常設展示されている。

ロン・ミュエク《マスクⅡ》(2002)ミクストメディア 77×118×85 cm 個人蔵 「ロン・ミュエク」(韓国国立現代美術館ソウル館、2025)展示風景より 撮影=ナム・キヨン 写真提供=カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

 カルティエ現代美術財団との共同企画による本展は、2023年にパリで幕を開け、ミラノ、ソウルを巡回した国際展の日本会場となるもので、日本では2008年の金沢21世紀美術館での回顧展以来、2度目の個展開催となる。会場では、巨大インスタレーション《マス》(2016-17)を中心に、初期の代表作から近作までの11点を展示。うち6点は日本で初めて紹介されるという。

会期:2026年4月29日~9月23日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~22:00(火~17:00、ただし5月5日、8月11日、9月22日は〜22:00) ※入館は閉館30分前まで
休館日:会期中無休
観覧料:[平日]一般 2300円 / 高校・大学生 1400円 / 中学生以下 無料 / シニア(65歳以上)2000円 [土日祝]一般 2500円 / 高校・大学生 1500円 / 中学生以下 無料 / シニア(65歳以上)2200円

「没後110年 日本画の革命児 今村紫紅」(横浜美術館

 横浜美術館で「没後110年 日本画の革命児 今村紫紅」が6月28日まで開催されている。

 今村紫紅(1880〜1916)は、明治の末から大正初期に活躍した画家。平安時代から続く伝統的なやまと絵を学び、歴史画において高い技量を示したのち、日本画の革新を志す。琳派の俵屋宗達などの絵に刺激を受け、南画や西欧の印象派などの表現も取り入れて、風景画に個性を発揮した。

 本展は、今村紫紅の42年ぶり、かつ公立美術館では初の大回顧展となる。《熱国之巻》や《近江八景》に代表される思い切った筆づかいと構図、明るい色を特徴とする作品を紹介。初公開作品を含む約180点を選りすぐり、紫紅自身の言葉をタイトルに採った4章構成で創作の軌跡をたどる。

会期:2026年4月25日~6月28日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1 横浜美術館
電話:045-221-0300
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:木(4月30日・5月7日は開館)
観覧料:一般 2200円 / 大学生 1600円 / 中学・高校生 1000円 / 小学生以下 無料