静岡県掛川市の資生堂アートハウスで「資生堂アートハウス所蔵作品展 小村雪岱 -江戸を夢見る-」が開幕する。会期は3月12日〜6月27日。担当は同館学芸員の福島昌子。なお、会期終了とともに同館は閉館する。
同館は1978年に開設。2002年のリニューアルを機に、美術館としての機能を高め、近現代の優れた美術品を収集・保存するとともに、展覧会を通じて美術品を無料で一般公開する文化施設として活動してきた。コレクションの中核となるのは、同社が文化芸術支援活動の一環として、資生堂ギャラリーを会場に開催してきた「椿会美術展」や「現代工藝展」などに出品された絵画、彫刻、工芸品で、過去120回余りの展覧会を開催している。建築は高宮真介と谷口吉生の設計によるもので、79年度の「日本建築学会賞(作品)」を受賞するなど、建物自体が独自のアート性を有している。今回の閉館決定は「2030中期経営戦略」によるもので、企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」の実現のため、今後のアート支援活動は東京・銀座の資生堂ギャラリーに集約させるという。

そんな閉館を控えた同館の、最後の展覧会となる本展は、大正から昭和初期にかけて活躍した美術家・小村雪岱(こむら せったい、1887〜1940)の作品展となる。雪岱は、1887年埼玉県川越市生まれ。本名は安並泰助。東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画選科にて下村観山らに師事し、卒業後は伝統絵画の研究や模写に従事する。泉鏡花の小説『日本橋』(1914)の装幀で高い評価を得て、日本画や挿絵、舞台美術など多彩なジャンルで才能を発揮した。1918〜23年にかけては資生堂意匠部にも在籍し、現在も同社で使われている「資生堂書体」の基礎をつくったひとりとしても知られる。
同館は30年以上にわたり雪岱の作品を少しずつコレクションし続け、現在72点を収蔵している。本展では、同館コレクションを含め、雪岱の挿絵原画、舞台装置下図、版画、装幀本、資生堂在籍時代の作品などをあわせた約140点を展示し、江戸の風俗や抒情を独自のモノクロームの世界で描き出した雪岱の画業の全貌を紹介するものとなる。
































