第9回

映像と取り残される身体 中尾拓哉が見たバンコクナイツ展

富田克也が監督し、映像制作集団・空族が製作した映画『バンコクナイツ』のメイキングや撮影風景映像によるインスタレーション作品が、山口情報芸術センター[YCAM]にて公開された(9月24日〜11月6日)。合計5面のスクリーンに「映画に映らない画」が映し出された本展を、映像と鑑賞者の身体の関係性に切り込みながら、中尾拓哉がレビューする。

名和晃平セレクション・CAF賞選抜展 注目作家インタビュー①

11月19日にホテルアンテルーム京都で開幕した「CAF賞選抜展」。同展には、これまで過去3回にわたって開催された「CAF賞」の受賞者の中から、現代美術家・名和晃平が厳選した若手アーティスト16人が名を連ねている。ここではその中で、特に注目したいアーティスト6人をピックアップし、全3回にわたって紹介。それぞれのバックグラウンドや作品に込めた思いなどを掘り下げていく。第1弾は第1回CAF賞(2014年)で最優秀賞の増田将大と、同年優秀賞・名和晃平賞の畑山太志。

INTERVIEW

数億円クラスの作品ズラリ 藤田美術館の中国美術コレクション クリスティーズNYで競売へ

オークションハウスのクリスティーズは2017年3月15日、「Important Chinese Art from the Fujita Museum (藤田美術館所蔵 中国美術の名品)」と題したオークションをニューヨークで開催する。同オークションでは大阪の私立美術館・藤田美術館所有のコレクションのなかから、30点超の選りすぐりの名品が出品。そのプレビューが12月8日、東京のクリスティーズ ジャパンで開催された。

NEWS / MARKET

上海ビエンナーレで王海川が提示 する、中国現代社会のひずみ

11月11日〜2017年3月12日に、上海当代美術博物館で開催されている第11回上海ビエンナーレ。インドのアートユニット「ラックス・メディア・コレクティブ」のキュレーションのもと、95組のアーティストが参加し、日本からは新井卓と笹本晃が出展している。コンセプトの「Why Not Ask Again(ホワイ・ノット・アスク・アゲイン)」は、様々な問題を改めて問い直すことで、その問い自体が世界でどのように機能してきたのかを考える、というものだ。本稿では、出品作家の王海川(ワン・ハイチュン)に、自身もアーティストとして活動しながら彼の活動を研究している寺江圭一朗が迫る。この国際展のコンセプトを象徴している王の作品は、中国の社会全体で見られる、普遍的な課題を提示している。

INSIGHT

物質と知覚の普遍性を問う、アニッシュ・カプーアに聞く

視覚や空間の認識に問題を提起し、存在の深淵さを提示するアニッシュ・カプーア。9月9日〜10月15日にSCAI THE BATHHOUSEで開催された個展は、アーティストの制作活動における源流を再確認する内容となった。5年ぶりとなる日本での本展について、作家に話を聞いた。

INTERVIEW

新進作家の海外研修の集大成を 発表!DOMANI展が開催

文化庁の支援で海外研修を受けた若手芸術家たちの成果を発表する「19th DOMANI・明日展」が、国立新美術館(六本木)で開催される。日本から欧米やアジア圏に滞在した新進芸術家13名による作品を展示し、会期中は出展作家によるギャラリートークや座談会を予定。開催は2016年12月10日〜2017年2月5日。

NEWS / EXHIBITION

第11回

櫛野展正連載11:アウトサイドの隣人たち ゲームこそ我が人生

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正。2016年4月にギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちにインタビューし、その内面に迫る連載の第11回は、関心の赴くままに独自の絵画世界を構築する、渡部敏昭を紹介する。

第100回

もうひとつの「ケンポク」。 椹木野衣が見た、飴屋法水の新作劇

演劇を中心に多彩な顔を持つ飴屋法水の新作《何処からの手紙》が、先頃閉幕した「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」で発表された。茨城県北エリアに位置する4つの郵便局にハガキを送り、返信された手紙の指示に従ってこの地をめぐる"演劇"を、椹木野衣がレビューする。

REVIEW

食とアートの融合! アート満載のレストラン「PAVILION」が中目黒にオープン

遠山正道が代表を務め、スープストックトーキョーなどを展開するスマイルズは11月22日、「中目黒高架下」内にLOVEとARTをテーマにしたレストラン「PAVILION」をオープンさせた。コミッションワークを中心に、数々のアート作品が彩る店内。その見どころをアートコレクターとしても知られる遠山に聞いた。

NEWS / REPORT

心の傷を"継ぐ" アーティスト・渡辺篤インタビュー 後編

東京藝術大学在学中から自身の体験に基づく、傷や囚われとの向き合いを根幹とし、かつ、社会批評性の強い作品を発表してきたアーティスト・渡辺篤。卒業後は路上生活やひきこもりの経験を経て、2013年に活動を再開した。「引きこもり」「傷」「鬱」など自身の経験をもとに、作品づくりに取り組んできた渡辺が、「黄金町バザール2016ーアジア的生活」に初参加し、さまざまな人の「心の傷」をウェブ上で匿名で募集する新プロジェクトとして発表した。「黄金町バザール」での新作について語る前編に続き後編では、渡辺がアーティストを目指したきっかけや、キーパーソン会田誠との関係、また渡辺を語る上で欠かせない「引きこもり」にまつわるエピソードなどをお届けする。

INTERVIEW

上田麗奈と藤ちょこ先生のデジタルペイント講座 ⑩背景編

初心者にもやさしい直感的な操作が可能な多機能・低価格のペイントソフトとして、多くのクリエイターから支持を得ているペイントソフト「openCanvas」。本連載では、声優の上田麗奈が、同ソフトのメインアートワークを手がけた人気イラストレーター・藤ちょこさんにその魅力を教わりながら、オリジナルのデジタルイラストを制作。第7回からは写真をベースに新たな作品に挑戦しています。第10回の今回は、それぞれの物の質感を描きこんでいきます。

INSIGHT / PROMOTION