文化庁は、若手芸術家を海外に派遣し、その専門分野の研修を支援する「新進芸術家海外研修制度」を1967年より実施しており、「DOMANI・明日展」はその成果を発表する機会として1998年から開催されている。また、2015年に立ち上がった「DOMANI・明日展 PLUS」は、より小規模でテーマ的な企画となっており、本展覧会シリーズとあわせて研修制度から輩出された作家たちを紹介している。
第19回を迎える「DOMANI・明日展」では、会場の巨大な展示空間を活かし、2020年東京オリンピックを見据えた「reconsidering Japan」というゆるやかなテーマのもと、絵画、写真、映像、アニメーション、インスタレーション、陶芸、メディアアートといった、様々な表現を見ることができる。
参加作家は、奇想の生き物や妖怪をモチーフに日本画を描く金子富之(カンボジア)、森林や日常風景を記録する写真家の今井智己(オランダ)、カナダで研修中に制作したアニメーション作品「水準原点」(2015)がザグレブ国際アニメーション映画祭で準グランプリを受賞した折笠良など、研修を終えて間もない13名。展覧会とあわせて、参加作家によるギャラリートークや座談会も予定されており、日本の未来を担う才能たちと出会うことができる。