同作はブロンズ、ステンレス、アルミニウムなどによって構成され、高さは約12メートル、重さは土台部分を含めると約33トンにおよぶ巨大なモニュメント。チューリップの花の部分は、ジェフ・クーンズの特徴であるバルーン状の形態となっている。
クーンズとジェーン・D・ハートリー駐仏米大使の間で発案されたこの作品について、クーンズは「この作品は1年前に起こった悲惨な出来事への追悼のシンボル。トーチを持った「自由の女神」の右手を参考にしている。米仏の人々の友好を示したい。花は楽観主義や再生、自然の生命力、そして生命のサイクルといったものを連想させる。前へと進む命のシンボルだ」と同作への思いをコメント。パリ市のアンヌ・イダルゴ市長も「喜んで歓迎する。アメリカにおける「自由の女神」同様、パリ市のヘリテージ(遺産)となるだろう」としている。
《チューリップのブーケ》は現在、ドイツで制作が進められており、最終的な承認を経たのち、2017年にパレ・ド・トーキョーとパリ市立近代美術館の間の広場に設置される予定だという。総工費は約300万ユーロ(約3.5億円)で、現在アメリカとフランスで寄付を募っている。
1886年に、フランスからアメリカに贈られた「自由の女神」が完成してから130年。アメリカからフランスに贈られることになる同作は、パリ市民にどのように受け入れられていくだろうか。