2017年7月5日から始まる「サンシャワー:東南アジアの現代美術 1980年代から現在まで」(2017年10月23日まで)は森美術館、国立新美術館、国際交流基金アジアセンターが合同で主催する日本国内で過去最大規模の東南アジア現代美術展。熱帯気候の東南アジア地域で頻繁に見られる気象現象「サンシャワー(天気雨)」を冠した同展では、自由の希求、アイデンティティ、成長とその影、コミュニティ、信仰と伝統、歴史の再訪など、同地域における1980年代以降の現代アートの発展を、複数の異なる視点から掘り下げ、国際的な現代アートの動向と照らし合わせながら、そのダイナミズムと多様性を紹介する。
いっぽう、11月18日から開催されるのが「レアンドロ・エルリッヒ展(仮題)」(2018年4月1日まで)だ。金沢21世紀美術館に恒久設置されている《スイミング・プール》(2004)によって、日本では一躍有名になったアルゼンチン出身のアーティスト、レアンドロ・エルリッヒ。その作品は、視覚を中心に身体感覚に訴えかけるトリックを用いて、鑑賞者が抱く常識を覆すような体験を与えるものが多くみられる。2006年の「越後妻有アートトリエンナーレ」では、《妻有の家》で鏡の効果を利用し、建物の壁面に人々がぶらさがっているような光景をつくりだした。国内ではこのほか、「瀬戸内国際芸術祭2010」や、「越後妻有アートトリエンナーレ2012」などの芸術祭への参加をはじめ、14年には金沢21世紀美術館で日本初の個展を開催した。本展はエルリッヒにとって東京における初の個展となり、24年にわたる活動の全容に迫るものとなる。