第8回

小池寿子が紐解く「死」の表現史──巨人の肩車に載って私たちは何を見るのか

新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちと「死」の距離を急速に縮めた。しかし歴史を遡れば、疫病による死が身近にあった時代は幾度も訪れている。とりわけ14世紀のペスト禍は、ヨーロッパの人口の3分の1とも言われる膨大な犠牲者を生んだ。そうしたなかで、人々はどのように「死」を芸術に表現してきたのか? また、その西洋の死生観には、どんな変遷があるのか? 中世美術の研究者で、ペスト後に隆盛した主題「死の舞踏」に関する著作でも知られる國學院大學教授・小池寿子による特別エッセイをお届けする。

歴史に対する個人の想像力。馬定延評 カディスト・アート・ファウンデーションとの共同企画展「もつれるものたち」

世界各地の美術館や文化組織と協働し展覧会などを行うカディスト・アート・ファウンデーションと東京都現代美術館の共同企画展「もつれるものたち」は、新型コロナウイルスの影響を受け、3ヶ月遅れで公開中だ。12組のアーティストによる、ものをめぐる多様な思索を通じて現代社会を新たな視点でとらえようとする試みを、馬定延がレビューする。

REVIEW

PREMIUM

彫刻家として追い求めるブレイクダンスの移動性。小畑多丘インタビュー

B BOY(ブレイクダンサー)をモチーフとした木彫作品で知られる小畑多丘。自身もダンサーとして活動し、身体の動きや物質の移動性への興味から生まれるその作品は、立体からドローイング、写真や映像まで多岐にわたる。なぜブレイクダンスなのか、ダンスがいかに制作と接続しているのかを聞いた。

INTERVIEW

恋愛や男性性との関わりをテーマに。佐藤麻優子が個展で新作「繋がってください」を発表

若い世代が抱える閉塞感や退屈さを的確に表現する写真家の佐藤麻優子。その新作個展「繋がってください」が、東京・馬喰町のKiyoyuki Kuwabara AGで開催されている(〜7月18日)。新作では、自身のルーツである家族やそこで生まれた異性との距離感、その後の恋愛など、過去と現在を行き来するように、いまを生きるリアルな感覚をセルフポートレイト作品で展開するという。

NEWS / EXHIBITION

「SINA SUIEN」有本ゆみこが個展で4年ぶりの新作を発表。刺繍の大作のほか、テーラーメイドの技術を駆使したスーツも

展覧会からアーティストの衣装制作、マンガ執筆、楽曲の作詞まで多彩な活躍を見せる刺繍作家の有本ゆみこ。その刺繍作品展「よるのしじま」が、原宿のセレク トショップ「Lamp harajuku」で開催される(7月2日~31日)。本展では、4年ぶりの新作をお披露目する。

NEWS / EXHIBITION