スイス・バーゼル、香港、アメリカ・マイアミの3都市で開催されるアートフェア「アート・バーゼル」とパートナーシップを結んでいるスイスのラグジュアリースキンケアブランド「ラ・プレリー」。そのラ・プレリーが、ピート・モンドリアンの4作品の保存修復プロジェクトへの支援を始動させた。
本プロジェクトは、ラ・プレリーが今年バーゼルの郊外にある美術館・バイエラー財団と結んだ2年間のパートナー契約の一環で、モンドリアンが1921年〜38年の間に制作した4作品《Tableau No.1》《Composition with Yellow and Blue》《Composition with Double Line and Blue》《Lozenge Composition with Eight Lines and Red》の保存修復を独占的に後援するものだ。
バイエラー財団は、1997年にアートコレクターでありギャラリストでもあるエルンスト・バイエラーと、その妻ヒルディ・バイエラーによって設立された私設美術館。そのコレクションには、ポール・セザンヌ、クロード・モネなどの印象派から、パブロ・ピカソ、アンリ・マティスや、ルイーズ・ブルジョワ、リチャード・セラ、ジャン=ミシェル・バスキアなどのモダンとコンテンポラリーアートまで400点以上の作品が所蔵されている。
現在、同館ではモンドリアンの初期作品から晩年の傑作に至るまで、スイスでもっとも広範囲におよぶ大規模なモンドリアン展を計画。この企画展の計画は、今回の保存修復プロジェクトの立ち上げにも弾みをつけた。
ラ・プレリーの最高マーケティング責任者グレッグ・プロドロミデスは、今回のパートナー契約について次のように語っている。「バイエラー財団と私たちラ・プレリーには、スイスのアートを世界に広めるという共通の価値観と目的があります。過ぎていく時間のなかで象徴的作品を保存修復していくプロジェクトを支援することは、このコラボレーションにいっそう高次元の意義をもたらすでしょう」。
バイエラー財団の保存管理責任者マーカス・グロスはこう続ける。「アートは私たちの生活において重要なもので、私たちが住む世界を人々がどのように見て理解しているのかを証明します。人の手でつくりあげた作品を保存するというのは、それに携わった人々を記憶し、学び、称賛するためにも絶対不可欠なことなのです」。