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2022.1.10

「加藤翼 縄張りと島」展から「居場所はどこにある?」展まで、11月・12月のレビューをプレイバック

美術手帖では、批評家や学芸員らによる展覧会レビューを毎月掲載。そのなかから、11月・12月に公開された全14本をお届けする。各レビューの詳細はリンクから全文をチェックしてほしい。

「加藤翼 縄張りと島」展の展示風景より Photo by MORITA Kenji
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若山満大評「紀伊国屋三谷家コレクション 浮世絵をうる・つくる・みる」展(千代田区立日比谷図書文化館)

「第1章 浮世絵をうる -江戸の浮世絵ショップ―」の展示風景

 千代田区立日比谷図書文化館の特別展示室にて開催された本展は、江戸時代後期に浮世絵師たちのパトロンとなり、その制作に関与した三谷家コレクションを中心に、当時の様子や制作工程などを紹介した。「うる・つくる・みる」の3つの視点と、豊かな資料や作品群によって構成された浮世絵世界を、東京ステーションギャラリー学芸員の若山がレビューする。

蔵屋美香評「加藤翼 縄張りと島」展(東京オペラシティ アートギャラリー)

展示風景より、《The Lighthouses-11.3 PROJECT》(2011) Photo by MORITA Kenji

 数多くのリサーチやプロジェクトを国内外で展開してきた現代美術作家・加藤翼。その日本初となる美術館個展「縄張りと島」が、初台にある東京オペラシティ アートギャラリーで開催された。加藤の10年にわたるキャリアを概観することとなったこの個展から、横浜美術館館長・蔵屋美香が見出した未来への手がかりとは?

黒沢聖覇評 磯谷博史「『さあ、もう行きなさい』鳥は言う『真実も度を越すと人間には耐えられないから』」展(SCAI PIRAMIDE)

展示風景より、手前中央が《花と蜂、透過する履歴》  撮影=表恒匡 協力=SCAI THE BATHHOUSE

 東京・六本木に今年オープンしたSCAI PIRAMIDEにて、日常の素材を組み合わせ、世界をまなざす複数の視点をつくり出す作品で知られる、磯谷博史の個展が開催された。T.S.エリオットの長編詩からタイトルを引用した本展について、キュレーターの黒沢聖覇がレビューする。

蔵屋美香評 佐々木健「合流点」

佐々木健 相模川 2021 キャンバスに油彩 130cm×97cm 撮影=佐々木健

 アーティスト・佐々木健の個展が鎌倉で開催されている。会場となるのは、祖父母がかつて住んだ家を作家の手によって開いた「五味家(The Kamakura Project)」。本展ではそこに集った人々の痕跡や自身の兄に関連して描いてきた作品が、相模原障害者施設殺傷事件への視点を軸に構成されている。佐々木は絵画、とりわけ油絵具というメディウムによって何を描き出しているのか。横浜美術館館長の蔵屋美香が論じる。

佐藤真実子評「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」展(東京都美術館)

展示風景より、奥がシルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田《シエナの聖カタリナ像とその生涯の浮彫り(部分)》(1980〜84)
撮影=齋藤さだむ

 東京都美術館で開催された「Walls & Bridges」展は、東勝吉、増山たづ子、シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田、ズビニェク・セカル、ジョナス・メカスという異なる背景をもつ5人の想像と創造の軌跡を、「記憶」をキーワードにたどるものだった。既存の枠組みにとらわれず、つくられたものに真摯に向き合うことで何が見えてくるのか。アール・ブリュットやアウトサイダー・アートを専門にする、東京都渋谷公園通りギャラリー学芸員・佐藤真実子がレビューする。

中村史子評「鷹野隆大 毎日写真1999-2021」(国立国際美術館)

「鷹野隆大 毎日写真1999-2021」(国立国際美術館、2021)展示風景 撮影=表恒匡

 1998年から毎日欠かさず写真を撮ることを自分に課して、様々な実験的撮影を試み、制度化された眼差しや、写真という媒体の特性とその限界について、考察を重ねてきた写真家・鷹野隆大。その思索の変遷を顧みながら鷹野の実像に迫る展覧会「鷹野隆大 毎日写真1999-2021」を、愛知県美術館学芸員の中村史子がレビューする。

布施琳太郎 評 百瀬文《Flos Pavonis》(「新・今日の作家展2021 日常の輪郭」)(横浜市民ギャラリー)

百瀬文 Flos Pavonis 2021 シングルチャンネルビデオ 30分

 横浜市民ギャラリーで開催された「新・今日の作家展2021 日常の輪郭」。田代一倫と百瀬文の2作家が参加した同展のなかから、アーティストの布施琳太郎が百瀬文の初公開作品《Flos Pavonis》を取り上げてレビューする。

山本浩貴評「ストレンジャーによろしく」展

社交会館での展示より、MES《meltdown pt.3 [birthday cake]》(2021)

 開催地を固定しない移動型の芸術祭「ストレンジャーによろしく」。第3回となる今回は金沢市内13ヶ所の商業、公共施設を使って37作家が展示を行った。キュレーターを設けず、若手アーティストのみで展示から運営までを担う同展について、金沢美術工芸大学で講師を務め、同大学生によって運営されたスペース「芸宿」についての私論を雑誌『美術手帖』2021年10月号に寄稿した、山本浩貴がレビューする。

小田原のどか評「居場所はどこにある?」展(東京藝術大学大学美術館 陳列館)

展示風景より。手前左が竹村京&鬼頭健吾、右壁面がMOM+Iの作品 撮影=堀蓮太郎

 今夏、コロナ禍を背景に「安全な居場所」をテーマとしたグループ展「居場所はどこにある?」が、東京藝術大学大学美術館 陳列館で開催された。様々な協働のあり方が提示された本展について、小田原のどかがレビューする。

椹木野衣評 「秋山祐徳太子と東京都知事選挙」展(ギャラリー58)

ギャラリー58での「秋山祐徳太子と東京都知事選挙」展示風景 撮影=末正真礼生

 グリコのランナー姿で走る《ダリコ》など「ポップ・ハプニング」と称するパフォーマンスや、2度にわたる東京都知事選挙への立候補で知られる美術家の秋山祐徳太子。その東京都知事選に関する資料を集めた展覧会「秋山祐徳太子と東京都知事選挙」が、ギャラリー58で開催された。秋山が政治という形式に何を見出したか、そして何を目指したのか、椹木野衣が論じる。

中島水緒評 中島りか「I tower over my dead body.」展(TOH)

「I tower over my dead body.」展より、《 塔のセラピー》(2021) 撮影=竹久直樹

 代々木駅前にあるギャラリー「TOH」。そこでタロットカードの「塔」をテーマにした「セラピー」型の作品を中心にした中島りかの個展が開催された。代々木駅という立地やタロットカードというキーワードから、美術批評の中島水緒が、展覧会の内側と外側、両方向から見たレビューを展開する。

清水穣評 オスカー・ムリーリョ「geopolitics(manifestations)」展(タカ・イシイギャラリー)

オスカー・ムリーリョ「geopolitics(manifestations)」展の展示風景 撮影=髙橋健治 Courtesy of Taka Ishii Gallery

 コロンビア出身のアーティスト、オスカー・ムリーリョは絵画やドローイングをはじめ、彫刻、映像、共同プロジェクトなど多様な手法を用いて制作を行ってきた。タカ・イシイギャラリーで開催された個展「geopolitics(manifestations)」では、様々な要素のコラージュによる力強い新作ペインティングを発表。1980年代のニュー・ペインティングの反復ともとらえられる作品群は現代において何を示唆するのか、清水穣がレビューする。

山峰潤也評 高田冬彦「LOVE PHANTOM 2」(WAITINGROOM)

「LOVE PHANTOM 2」(WAITINGROOM、2021)展示風景より、《The Princess and the Magic Birds》(2021)

 エロティックな表現や荒唐無稽な物語を折り込みながら映像作品をつくる高田冬彦。WAITINGROOMで行われた個展「LOVE PHANTOM 2」では思春期の少年の性をテーマにした新作映像『The Princess and the Magic Birds』ほか2点の新作を展示した。宗教や神話、性、ジェンダー等のテーマが入り混じった同展を、ANB Tokyoディレクターでキュレーターの山峰潤也がレビューする。

小金沢智評「土祭2021 アラワレル、未知ノ日常。」

L PACK.による切り株と、そこに置かれたAGAIN_ST制作の陶片 撮影=柳場大

 2009年に窯業と農業の里・栃木県益子町で始まり、今年で第5回目の開催を迎えた「土祭(ヒジサイ)」。行政と住民が協働でつくりあげる、益子の風土に根ざしたこの芸術祭のなかで、益子在住の作家・藤原彩人が「感性の土壌」をテーマにキュレーションしたアート部門の展示を、東北芸術工科大学で教鞭をとるキュレーター・小金沢智がレビューする。