東京・上野の東京藝術大学大学美術館 陳列館で、コロナ禍以降の「私たちの居場所」をアートを通して考えるグループ展「居場所はどこにある?」が開催される。会期は6月1日〜6月20日。
新型コロナウイルスの蔓延によって世界の様相が大きく変わり、社会や国、民族など、自分が所属する場所についてこれまで以上に意識することになった。家族、仕事、勉学のあり方が改めて問われ、拠り所としてのフィジカルなコミュニケーションが変容。新たな関係の可能性についての模索が続く。
同展はこうした世界の情勢を踏まえたうえで、多様なバックグラウンドを持つ10組のアーティストの作品によって、自分にとっての居場所について、あるいは居場所がないこと、居場所を探していることについて物語るものだ。
参加アーティストは磯村暖、UGO、岡田裕子、小林勇輝、竹村京& 鬼頭健吾、中谷優希、松田修、MOM+I、室井悠輔、リー・ムユンの10組。
作品を通して、家族のかたちを制限する法律、機会の不平等を生む貧困と格差、クィアや外国人を排除する社会制度、独居老人への対応に苦慮する行政など、現在進行系のさまざまな問題が提起される。
コロナ禍によって浮き彫りになった、自明ではない、しかし誰もが切望する安全な居場所の存在に改めて注目し、その問題と可能性について探る展覧会が目指される。