群馬県前橋市で初となる民間主導の国際芸術祭「前橋国際芸術祭2026」が始まった。会期は12月20日まで。主な会場はアーツ前橋を中心とする市街地の徒歩圏内に設定され、美術館のみならず商店街やホテル、既存建築、屋外空間など、街の各所に作品やプロジェクトが展開されている。公式マップでもアーツ前橋を起点に複数の展示会場や建築、パブリック・アートが紹介されており、街を歩きながら鑑賞する構成が本芸術祭の大きな特徴となっている。
テーマは、前橋市が掲げてきたまちづくりのコンセプトでもある「めぶく。」。現代美術だけでなく、建築、音楽、ファッション、演劇、映画、食など多様なジャンルを横断する構成だ。実行委員長兼総合プロデューサーは田中仁(ジンズホールディングス代表取締役会長CEO)、プログラムディレクターは宮本武典(東京藝術大学准教授、アーツ前橋チーフキュレーター)が務め、今後ビエンナーレ形式で継続し、前橋の「次の10年」を見据えた都市の変化を考える場として位置づけられている。

田中によれば、この芸術祭は突然始まったものではないという。「前橋のまちづくりに関わって十数年が経つ。県庁所在地でありながら魅力が少なかったこの街をなんとかしたいと思って動いてきた。2016年にビジョンを策定し、今回の芸術祭は次の10年をつくるためのもの。人口減少社会という厳しい時代のなかで、選ばれる街になるためにアートは非常に大きな力がある。それを前橋の未来につなげていきたい」。
さらに田中は、芸術祭によって街がどう変わるのかについては「まだわからない」としつつも、「作品とともに街を見ることで芸術祭は完成する」と語る。その言葉の通り、この芸術祭を見るうえで重要なのは、ひとつの美術館ですべてを見ようとしないことだ。中心となるアーツ前橋を出ると、作品は商店街や街路樹、ホテル、再開発を待つ建物へと入り込み、前橋という都市そのものが展示空間になっている。
田中が中心となって進めてきたまちづくりのなかでは、藤本壮介が手がけたアートホテル「白井屋ホテル」や、平田晃久が手がけたギャラリーコンプレックスを含む「まえばしガレリア」などが誕生し、市街地にこれまでにない魅力を与えてきた。このように新たな展開を見せている前橋に、芸術祭はどのような新たな視点を持ち込むのか。ここでは、市街地を歩きながら見たい10の作品を紹介したい。













































