千葉市美術館で、千葉開府900年を記念した特別展「月と星と―美術がつなぐとき」が開幕した。会期は11月23日まで。担当は松尾知子(同館副館長)、森啓輔(同館学芸員)。
千葉の街の歴史は平安時代まで遡る。大治元年(1126)、武将・平常重が現在の千葉市中央区亥鼻付近に本拠地を移し、「千葉」を名乗ったことに始まる。2026年はその節目から数えて、ちょうど900周年に当たるのだ。
千葉開府900年を記念する展覧会で、なぜ「月と星」が題材に選ばれたのか。その背景には、この地を治めた千葉氏が北極星や北斗七星を神格化した「妙見(みょうけん)」を厚く信仰し、一族の結集軸に据えていた史実がある。現在も市内には妙見を祀る神社が数多く点在し、街のアイデンティティをかたちづくる要素として語り継がれてきた。
本展は、この地域に根ざした歴史と天文学の視点をアートの文脈へとつなぎ、現在、そして未来を見つめ直す試みだ。会場は全3部の構成。第1部では千葉と妙見信仰にまつわる歴史資料を、第2部では東西の天文資料を公開。そして第3部では、「宇宙」「月星」「地球」をテーマに表現を展開する現代作家9組の作品やコレクションの一部を展示し、総数180点におよぶ豊かな世界を立ち上げている。
第3部への出展作家は、青木野枝、植松琢麿、川内理香子、髙田安規子・政子、三沢厚彦、宮内由梨、宮島達男、渡辺望、渡辺泰子。
妙見信仰と千葉の成り立ち
第1部「『千葉開府900年』から『月と星と』へ──千葉妙見と千葉のまち」は、本展の導入にあたる。今日に至る街の発展において、武家・千葉氏や妙見信仰がどのように息づいてきたかを多彩な資料から紐解いていく。1889年の市制町村制の施行後、街の繁栄を願う人々は1126年の開府に着目し、1926年には「千葉開府八百年祭」を盛大に執り行った。2026年の900周年に至る道筋は、すでにこのときから始まっていたことがうかがえる。


また本章では、千葉氏と妙見菩薩との出会いや関係性を描いた《千葉妙見大縁起絵巻》(室町~江戸時代)が28年ぶりに公開されているほか、千葉市立郷土博物館が所蔵する日本画家・田岡春径による旧壁画《妙見尊出現之図》(1947)も修復を経て初お披露目となった。郷土博物館の奥深くに眠っていた貴重な文化財が一堂に会する点も見逃せない。











































