東京・渋谷のヒカリエホールで、日本の女性写真家30名を紹介する展覧会「まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険」が8月26日まで開催されている。キュレーションを担当するのは竹内万里子(批評家・作家/京都芸術大学教授)。
本展は、南フランスで開催された「アルル国際写真フェスティバル」を皮切りとする国際巡回展だ。1950年代から今日まで、写真表現の世界で重要な役割を果たしてきた女性写真家たち。そこに光を当てることで、日本の写真史を新たな角度から捉え直し、その豊かさを見つめ直す機会となっている。
凱旋展となる日本会場では、新たに4名の写真家が加わった。会場にはインスタレーション、コラージュ、映像など、「写真」という既存の枠組みを超える作品約200点が一堂に集結。記憶、身体、日常、ジェンダーなど、彼女たちが注いできたまなざしと表現の軌跡を4つの章で紐解いている。
出展作家は、石内都、石川真生、今井壽惠、岩根愛、潮田登久子、岡上淑子、岡部桃、オノデラユキ、片山真理、川内倫子、小松浩子、今道子、澤田知子、志賀理江子、杉浦邦恵、多和田有希、常盤とよ子、長島有里枝、楢橋朝子、西村多美子、蜷川実花、野口里佳、野村佐紀子、原美樹子、ヒロミックス、藤岡亜弥、やなぎみわ、山沢栄子、米田知子、渡辺眸。
「写真」をめぐる冒険──想像力を解き放て!
まず第1章となる「『写真』をめぐる冒険──想像力を解き放て!」では、今井壽惠、岡上淑子、オノデラユキ、小松浩子、今道子、杉浦邦恵、多和田有希、蜷川実花、山沢栄子らの作品が紹介されている。

冒頭を飾るのは、日本の女性写真家のパイオニアとして知られる山沢栄子(1899〜1995)だ。いまからおよそ100年前、貨物船でアメリカ・カリフォルニア州へ渡り写真と出会った山沢。彼女を起点とするこの100年を「日本の女性写真家によるひとつの歴史的時間軸」と捉えることが、本展の骨組みとなっている。


また、作家たちの実験精神あふれる表現が数多く並ぶのも本章の見どころだ。フォトグラムやコラージュから、プロジェクション、大型インスタレーションまで、写真というメディアが持つ多様な表現とその広がりを目の当たりにすることができる。とくに、ヒカリエホールの天井高のある空間をダイナミックに生かした小松浩子のインスタレーションは、「写真を鑑賞する」という受け身の行為に揺さぶりをかけている。



































