EXHIBITIONS
第12回ヒロシマ賞受賞記念
メル・チン展
1989年に創設された「ヒロシマ賞」の第12回受賞者、メル・チン(1951〜)の日本初となる個展「第12回ヒロシマ賞受賞記念 メル・チン展」が、広島県の広島市現代美術館で開催される。会期は7月25日〜10月12日。
「ヒロシマ賞」は、世界の恒久平和と人類の繁栄を願う「ヒロシマの心」を美術を通して発信することを目的に、広島市が3年に一度授与している国際的な美術賞。第12回受賞者となったメル・チンは、環境問題などの複雑な社会的課題に動機づけられたアイデアを、既存のカテゴリーにとらわれない手法で表現してきた。彫刻、ドローイング、絵画、映像、ビデオゲームから大規模な公共インスタレーションに至るまで多岐にわたるメディアを使用し、地域住民との協働や科学的アプローチを取り入れた長期プロジェクトも展開している。
日本初個展となる本展は、チンのこれまでの代表的な作品を通してその活動の軌跡をたどる内容となっている。展示構成は大きく2部に分かれる。
第1部「奇妙な花の下で」では、代表作《私たちの民主主義の奇妙な花》(1988)などを中心に、2001年の同時多発テロ事件以降の戦争や植民地支配、さらには原爆投下といった暴力の歴史的連鎖に焦点を当てる。日常的な素材を造形へと変換することで、民主主義の名のもとに遂行される暴力の構造を可視化する。
第2部「逃れられない歴史」では、初期作品から最新作まで、50年以上にわたる創作活動をたどる。自身のルーツである中国思想やコンセプチュアル・アートなど多様な要素を取り込んだ表現の変遷をたどるほか、パレスチナとイスラエルの関係を扱い、歴史が同じ軌道をめぐり続ける現実を映し出した《逃れられない歴史》(1988)などを展示する。
展示の最後には、ヒロシマのために制作された新作も公開。『はだしのゲン』の作者である中沢啓治の少年時代をイメージした彫像が、アメリカ軍が広島市に投下した原子爆弾「リトルボーイ」を想起させる大太鼓の上に立ち「ともに立とう」と呼びかけるインスタレーションだ。現実の社会問題と接続しながら社会と美術の関係を問い直す本展は、現代世界を理解するための視点と、アートを通じた社会的意識の喚起を提示する場となるだろう。
「ヒロシマ賞」は、世界の恒久平和と人類の繁栄を願う「ヒロシマの心」を美術を通して発信することを目的に、広島市が3年に一度授与している国際的な美術賞。第12回受賞者となったメル・チンは、環境問題などの複雑な社会的課題に動機づけられたアイデアを、既存のカテゴリーにとらわれない手法で表現してきた。彫刻、ドローイング、絵画、映像、ビデオゲームから大規模な公共インスタレーションに至るまで多岐にわたるメディアを使用し、地域住民との協働や科学的アプローチを取り入れた長期プロジェクトも展開している。
日本初個展となる本展は、チンのこれまでの代表的な作品を通してその活動の軌跡をたどる内容となっている。展示構成は大きく2部に分かれる。
第1部「奇妙な花の下で」では、代表作《私たちの民主主義の奇妙な花》(1988)などを中心に、2001年の同時多発テロ事件以降の戦争や植民地支配、さらには原爆投下といった暴力の歴史的連鎖に焦点を当てる。日常的な素材を造形へと変換することで、民主主義の名のもとに遂行される暴力の構造を可視化する。
第2部「逃れられない歴史」では、初期作品から最新作まで、50年以上にわたる創作活動をたどる。自身のルーツである中国思想やコンセプチュアル・アートなど多様な要素を取り込んだ表現の変遷をたどるほか、パレスチナとイスラエルの関係を扱い、歴史が同じ軌道をめぐり続ける現実を映し出した《逃れられない歴史》(1988)などを展示する。
展示の最後には、ヒロシマのために制作された新作も公開。『はだしのゲン』の作者である中沢啓治の少年時代をイメージした彫像が、アメリカ軍が広島市に投下した原子爆弾「リトルボーイ」を想起させる大太鼓の上に立ち「ともに立とう」と呼びかけるインスタレーションだ。現実の社会問題と接続しながら社会と美術の関係を問い直す本展は、現代世界を理解するための視点と、アートを通じた社会的意識の喚起を提示する場となるだろう。

