安西水丸の全貌を「仕事」を通じて紐解く
多岐にわたる領域で足跡を残してきた安西。そのイラストは、誰もが一度は目にしたことがあるだろう。「ヘタウマ」とも評された独特かつ肩の力の抜けたタッチは、安西の作品が長く親しまれる理由のひとつだ。


展示室の入り口から奥へと広がる「第一部 ぼくの仕事」では、その名の通り安西の仕事の全貌を見ることができる。「ぼくはイラストレーターです」と自らの肩書きを定義しつつも、領域を軽やかに横断したその活動には「あそび」の心が通底している。

また、安西と親交があった小説家・村上春樹やイラストレーター・和田誠との仕事や取り組みも紹介されている。村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』(中央公論新社、1983)をはじめとする共著の事例に加え、村上の初期短編『午後の最後の芝生』(スイッチ・パブリッシング、2024)のために安西が描いたイメージ画も、今回初めて出展された。


さらに展示室の奥では、雑誌、ポスター、広告などの仕事を通覧できる。絵本を手がけるいっぽうで、週刊誌やブランド広告といった大人向けのコンテンツにも自身の絵柄を適応させる。その懐の深さもまた、安西作品の魅力と言えるだろう。



















