「リサ・ラーソンの作り方 展」(PLAY! MUSEUM)レポート。手を動かすことで見えてくる、リサ・ラーソンのまなざし

立川にあるPLAY! MUSEUMで「リサ・ラーソンの作り方 展」が2月23日まで開催中。北欧を代表する陶芸家リサ・ラーソンの制作プロセスに焦点を当てた本展をレポートする。

文・撮影=三澤麦(ウェブ版「美術手帖」編集部)

展示風景より、「プロダクトの制作工程サンプル ネコのミア、ライオン、ハリネズミ」。リサのプロダクト制作における過程を追うことができる

 東京・立川のPLAY! MUSEUMで「リサ・ラーソンの作り方 展」が開催されている。会期は2月23日まで。

 リサ・ラーソン(1931~2024)はスウェーデンを拠点に活躍した陶芸家だ。1950年代から長きにわたり制作を続け、動物をモチーフにした愛らしい陶器作品を数多く生み出してきた。その作品は世界各地で親しまれ、陶芸の枠を超えて幅広い支持を集めているほか、スケッチから生まれたキャラクターたちもまた、人々の暮らしに寄り添う存在として愛されてきた。2024年3月、92歳でその生涯を閉じている

展示風景より

 リサの創作でとくに知られているのは、縞模様が印象的な猫の「マイキー」をはじめとするオリジナルキャラクターや、成形から焼成までを自身の手で行った「ユニーク・ピース」と呼ばれる一点ものの陶器作品だ。いっぽうで、リサのキャリアの出発点は、ストックホルム郊外にあるグスタフスベリ工房の専属デザイナーとしての仕事にあった。ここでは、リサが原型モデルを制作し、それをもとに職人たちが量産を行うという、もうひとつの重要な制作の軸が築かれている。

 本展は大きく3部構成となっており、第1部では、世界中に届けられてきた量産プロダクトの制作過程に焦点が当てられる。原型やスケッチ、制作道具、写真や映像資料などが展示され、成形から焼成に至るまでの工程を通して、リサの創造の営みが丁寧に紹介されている。ひとつの作品がかたちになるまでの積み重ねを追うことで、リサの仕事の確かさが実感できるようだ。

展示風景より、リサが実際に使用していた道具の数々。とくに、制作時に好んで着用していたという剣道の練習着は、意外な存在だ
展示風景より、量産のための原型モデル
展示風景より、リサによるスケッチの数々。動物のなかでも、とくに猫を好んでいたことがうかがえる。タッチのバリエーションの豊かさにも注目したい