第2章 アメリカの森英恵
森は1961年に訪れたパリ、ニューヨークに刺激を受けたことをきっかけに、日本の美意識について改めて知ろうと、日本美術・文学・そして日本の布地について自ら学び直した。このときの研究成果をもとに、65年にニューヨークで初となるコレクション「MIYABIYAKA(雅やか)」を発表。「East Meets West(東と西の出会い)」と報じられ好評を得て、同地の高級百貨店での取り扱いがはじまった。また当時の『Vogue』アメリカの編集長ダイアナ・クリーヴランドに注目され、その評価は国際的なものとなる。

本章では、海外進出期の作品や資料を通じて、森が日本人デザイナーとして世界と向き合った軌跡をたどる。オートクチュールという制度のなかで独自の美意識を打ち出し続けた姿勢は、日本文化の翻訳者としての側面も示している。東西の文化を横断するデザイン言語の形成過程が、具体的な衣装とともに提示される点が見どころだ。


なお、この章ではハナヱモリの大躍進を支えた、日本ならではの絹地を手がけた松井忠郎によるテキスタイルの数々も原画とともに紹介されている。




















