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「ヒルマ・アフ・クリント展」(東京国立近代美術館)開幕レポート。神秘思想で拓いた抽象絵画の世界【2/6ページ】

第1章「アカデミーでの教育から、職業画家へ」

 ヒルマ・アフ・クリントの父親ヴィクトルは海軍士官で、天文学、航海術、数学などが身近にある環境は、後のアフ・クリントの制作に大きな影響を与えたという。1882年に王立芸術アカデミーに入学したアフ・クリントは正統的な美術教育を受けることとなった。アカデミー自体は1864年から女性の入学を認めていたものの、女性アーティストの存在は当時のスウェーデンでは数少なかたことは想像に難くない。

 本章では、アカデミー在学中に制作された作品が展覧。人体デッサンや植物図鑑のような写生からは、正確な形態把握、技術の高さがわかることだろう。

展示風景より、《スケッチ、子どもたちのいる農場[『てんとう虫のマリア』]》(制作年不詳)
展示風景より、《フォルム研究、螺旋階段、光と影》(1880)

 その後、1887年にアカデミーを優れた成績で卒業したアフ・クリントは、主に肖像画や風景画を手がける職業画家としてのキャリアを順調にスタートさせた。

編集部

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