• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • REPORT
  • 「ヒルマ・アフ・クリント展」(東京国立近代美術館)開幕レポー…

「ヒルマ・アフ・クリント展」(東京国立近代美術館)開幕レポート。神秘思想で拓いた抽象絵画の世界【3/6ページ】

第2章「精神世界の探求」

 アフ・クリントを語るうえで欠かせない神秘主義思想。彼女がそこに関心を持ち始めたのは、アカデミーでの美術教育と並行する17歳のときだという。当時のストックホルムには神秘主義的思想を信奉する団体がいくつか存在していたが、アフ・クリントがとくに影響を受けたのはヘレナ・ブラヴァツキー(1831〜1891)が提唱した神智学だった。アフ・クリントは瞑想や交霊の集いに頻繁に参加し、知識を深めていったという。

 キリスト教や神智学などを融合した思想を持つエーデルワイス協会で瞑想や交霊会に参加していたアフ・クリントは、1896年に協会内で親しい4人の女性と「5人(De Fem)」というグループを結成(活動は1908年まで)。5人は交霊術におけるトランス状態において、高次の霊的存在からメッセージを受け取り、それらを自動書記や自動描画によって記録していった。会場では、その名義によるドローイングが展覧。そこには植物や細胞、天体の動きなど、様々なヴァリエーションのモチーフを見ることができる。

展示風景より、5人《無題》(1903)
展示風景より、いずれも5人《無題》(1908)

編集部

Exhibition Ranking

ミロ展

2025.02.28 - 07.05
東京都美術館
上野 - 日暮里 - 秋葉原|東京