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「フェミニズムと映像表現」(東京国立近代美術館)追加レポート。ナンシー・ホルト、ロバート・スミッソン、出光真子による作品が新たに登場

東京国立近代美術館のギャラリー4で、12月22日まで開催されていたコレクションによる小企画「フェミニズムと映像表現」が好評につき、2月11日から再び開催されている。今回新たに追加された作品を中心に、会場をレポートする。

取材・文=白坂由里(アートライター)

出光真子 グレート・マザー 晴美 1983 提供=東京国立近代美術館

 東京国立近代美術館(以下、東近美)ギャラリー4で、12月22日まで開催されていたコレクションによる小企画「フェミニズムと映像表現」が好評につき、一部作品を入れ替えて2月11日から再び開催されている。前会期の展示についてのレポートはこちらを参照してほしい。

コレクションから、ナンシー・ホルトとロバート・スミッソン、出光真子が加わる

 今会期は、前会期のマーサ・ロスラー《キッチンの記号論》(1975)、遠藤麻衣×百瀬文《Love Condition》(2020)、《新水晶宮》(2020、立体作品)、キムスージャ《針の女》(2000-01)は引き続き展示され、ナンシー・ホルトとロバート・スミッソン《湿地》(1971)、出光真子の3作品《シャドウ パート1》(1980)、《グレート・マザー 晴美》(1983)、《清子の場合》(1989)の計4作品が新たに加えられた。計5組8作品を通じて、1970年代から現代までのフェミニズムに関わる映像表現を紹介。鑑賞の手かがりとして、前回の「個人的なこと」「対話」はそのままに、出光作品に「『私』の分裂」というキーワードが新たに掲げられている。

展示風景より、手前から出光真子《シャドウ パート1》(1980)、《グレート・マザー 晴美》(1983) 撮影=筆者

 同展を主担当として企画した小林紗由里(東京国立近代美術館 研究員)は「出光真子さんの出品作品は、家庭や社会において女性たちが直面する制約や葛藤を、ドラマ的な手法で描く点が特徴的です。とくに《清子の場合》では、女性が芸術家としての道を歩むなかで生じる様々な軋轢が可視化されています。また、新たに展示したナンシー・ホルトとロバート・スミッソンによる《湿地》は、フェミニズムを前面に押し出した作品ではないものの、共同制作における“対等”な関係について問いを投げかける映像となっています」と語る。

ナンシー・ホルト&ロバート・スミッソン 湿地 1971
Courtesy Electronic Arts Intermix (EAI), New York
提供=東京国立近代美術館

編集部

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