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過小評価されてきた女性アーティストたちに光を当てる。フランスの非営利団体「AWARE」の日本語セクションが開設

18世紀〜20世紀の女性アーティストたちを可視化するため、彼女たちの功績についてのコンテンツをウェブサイトで無料公開している「Archives of Women Artists, Research and Exhibitions」(AWARE)。そのウェブサイトの日本語セクションが開設され、記者発表会が東京都内で行われた。

文=王崇橋(ウェブ版「美術手帖」編集部)

AWAREチーム © Marie Docher

 これまで美術史において十分に評価されてこなかった女性アーティストの功績を可視化するために設立されたフランスの非営利団体「Archives of Women Artists, Research and Exhibitions」(以下、AWARE)。そのウェブサイト日本語セクションの開設に伴い、記者発表会がアンスティチュ・フランセ 東京で行われた。

 AWAREは、2014年にフランスのキュレーターで美術史家のカミーユ・モリノーらによってパリで設立。18世紀〜20世紀の女性アーティストたちを可視化するため、彼女たちの功績についてのコンテンツをフランス語と英語の2ヶ国語で作成し、ウェブサイトで無料公開している。10周年を迎えた2024年には日本チームが発足し、ウェブサイトに日本語による新たなセクションが開設された。

>>インタビュー:女性アーティストたちを顕彰し、創造性を振興する。AWAREの10年の歩みと日本での展望

 AWAREのウェブサイトは、過去11年間で1300人以上の女性アーティストに関する略歴や、500人以上の研究者、キュレーター、美術史家によるテキストを掲載しており、毎月15万人以上がアクセスしているという。エグゼクティブ・ディレクターであるカミーユ・モリノーは、「日本には過去、現在、多くの女性アーティストが存在しており、卓越した文化と歴史を持つ日本での活動を広げられることを誇りに思っている」と語り、今回新たに日本語が追加されたことで、学術的・教育的なコンテンツをより幅広い読者層に向けて配信するることを期待しているという。

2月14日の記者発表会に登壇したカミーユ・モリノー

 また、AWAREは過去5年間にわたり、日本の専門家や機関との協力のもと様々なプログラムを行ってきた。例えば、「TEAM: Teaching, E-Learning, Agency, Mentoring」(以下、TEAM)は2020年に設立された国際的な学術ネットワークであり、女性アーティストに関する学術的リソースの収集や出版、美術史における平等の問題に取り組む新たな世代の研究者を育成することを目的としている。TEAMのネットワークを通じて、世界各国の研究者たちが女性アーティストに関する研究を進めており、日本からも大阪大学大学院人文学研究科の中嶋泉准教授が参加している。

編集部

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